第一章
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七十歳でもう一度
竹内周作は七十歳になった、天理教の教会の会長をしていたがもうそれは長女夫婦に譲って今は前会長となっている。
そのうえで天理教の活動をしていた、背は一七四程でがっしりとした体格に太い眉と小さ目の目に引き締まった口と丸い顔に太い眉を持っている、その彼がある日妻の乙子垂れ目と穏やかな口元が印象的な優しい顔立ちで一五二位の背で白髪を短くしている妻と長女夫婦に次女夫婦そして三女夫婦にそれぞれの孫達を集めて言った。
「また教会長を務めようか」
「えっ、まさか」
「ああ、事情教会にな」
教会長がいなくなっている天理教の教会にというのだ。
「大教会長さんに申し出てな」
「その教会の会長さんになの」
「ならせてもらおうか」
こう妻に言うのだった。
「そう考えているんだ」
「じゃあ私がそこの奥さんね」
乙子はその話を聞いて言った。
「そうなるわね」
「ああ、また教会の奥さんになってくれるか」
「私はいいけれど」
母がこう言うとだった、ここで娘達とそれぞれの婿達それに孫達が口々に言った。皆穏やかでかつ整った人相をしている。
「お父さんもう七十だし」
「大丈夫かしら」
「事情教会の会長さんになってくれるのはいいけれど」
「それでもだよな」
「やっぱり七十だと」
「ちょっとな」
周作の年齢のことを言うのだった。
「大丈夫かな」
「止めた方がいいんじゃないか?」
「僕達もそれぞれ教会継がせてもらってるけれど」
「お父さんはね」
「やっぱり七十にもなると」
「この教会の前会長さんでいいんじゃないかしら」
「いや、七十といってもな」
それでもとだ、周作は娘と婿達に話した。
「わしは充分動けてるだろ」
「それはね」
「そうだけれどね」
「大きな病気したことないし」
三人の娘達が答えた。
「輿も膝も悪くないし」
「食欲もあるし」
「健康診断でも問題ないし」
「七十でここまで元気なのは有り難い」
大きな病気一つせず何処も悪いところがないことはというのだ。
「だったらな」
「それならなの」
「もうなの」
「会長さんやらせてもらう」
「ああ、そうしたい」
強い言葉だった。
「是非な」
「そこまで言うならね」
「お父さんがそこまで思うなら」
「私達としても」
娘達はそれならとなった、するとだった。
彼女達の夫達周作から見れば娘婿であり義理の息子でもある彼等もそれならとなって話をしたのだった。
「お義父さんの決意は固いし」
「お義母さんもいてくれてるし」
「それならいいか」
こう話すのだった。
「ここはな」
「お義父さんの望む様にしてもらおう」
「それがいいな」
彼等の意見も固まった、そして孫達はと
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