第87話 アトラハシーズ星系会戦 その3
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佐」
そんなろくでもないことを考えつつコツコツと仕事を進めていると、いつの間にか珈琲をもったブライトウェル嬢が、俺の後ろに立っていた。
「あぁ、ありがとう」
礼を言って椅子に座ったまま、紙コップに入った珈琲を取ろうとすると、彼女は俺の手を躱すようにコップを引き上げた。児戯みたいならしくない行動に、俺は首を傾げ嬢の顔を見上げると、果たして整った顔は初対面の時のようなツンドラであった。
「えっと? どうした、ブライトウェル伍長?」
「ペニンシュラさんとは、一体どなたのことでしょうか?」
「あ、あぁ」
口に出していたとは思っていなかった俺は、小さく舌打ちしてから嬢に言った。
「ちょっとばかり秘密にしてほしい相手なんだ。爺様達にも口外しないでくれると助かる」
「……承知いたしました」
そう言うと、彼女は俺の机に紙コップを置いてから、バカ丁寧に敬礼してから司令部用のエレベータへと消えていった。
紙コップに入っていた珈琲がかなり冷めていたことに気が付いた俺が、口を大きく開けて戦艦アラミノスの艦底部が映る天井を見上げたのは、それから三〇秒後のことだった。
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