第六幕その十二
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「そうしてね」
「夜の村も見て回ったの」
「そうもしてね」
「楽しんだのね」
「そうしてね」
それでというのです。
「楽しい夜を過ごしたよ」
「それは何よりね」
「だからね」
「今皆上機嫌なのね」
「そうだよ、今夜もね」
「そうして過ごすのね」
「そのつもりだよ」
「あの」
ここで、でした。
お食事を用意してその場に控えていた座敷童の一人が言ってきました。
「水田の方に行くと夜になりますと」
「何かあるのかな」
「蛍が出ます」
「あの虫がなんだ」
「それで水辺中を飛び回るので」
「凄く奇麗そうだね」
「物凄く奇麗です」
実際にというのです。
「ですから」
「夜にだね」
「あちらに行かれても」
そうしてもというのです。
「いいですよ」
「それじゃあね」
ジャックも笑顔で応えました。
「今夜はね」
「そちらにですね」
「行ってね」
そうしてというのです。
「楽しんでくるよ」
「それでは」
「何かね」
ここでこうも言ったオズマでした。
「今回は蛍にも縁があるわね」
「そうだね」
ジャックもそれはと頷きました。
「言われてみれば」
「そうよね」
「信長さんも使われていてね」
「凄く奇麗でね」
「ここでもなんてね」
「本当に縁があるわね」
「いい縁だね」
ジャックは笑顔で応えました。
「これはまた」
「奇麗で素敵なね」
「そうだね、それじゃあ」
「今夜はね」
「オズマ達もそれを見てね」
水田にというのです。
「それでね」
「楽しめばいいの」
「夜でも」
それでもというのです。
「寝る前に少し位ならいいよね」
「水田に行く時間があるのね」
「そうだよね」
「ええ、それはね」
オズマも頷きます。
「多少なら」
「それならだよ」
「晩ご飯を食べてお風呂に入って」
「そしてね」
そのうえでというのです。
「それから毎日ね」
「観に行くんだね」
「そうしようかしら」
「いいと思うよ」
ジャックは笑顔で応えました。
「じゃあ今日から」
「そうしましょう」
「皆で蛍を観ようね」
「夜はね」
笑顔で約束しました、そうして一日をはじめるのでした。水田と南瓜畑でのお仕事は夜まで楽しいものになると思いながら。
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