第十三話 母親その八
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「僕はそう思います」
「そうしたものか」
「まあ変に難しい考え持ってもな」
それでもとだ、空汰も言った。
「しゃあないな」
「そんなものか」
「難しく考え物事が解決するならええやろ」
それならとだ、空汰は神威にいつもの明るい調子で話した。
「それならな」
「それで解決するならか」
「けどそれで解決するやろか」
「この戦いはか」
「そや、どないや」
「そんなことはない、戦ってだ」
そうしてとだ、神威も答えた。
「勝たないとな」
「そやろ、この戦いかてそうでな」
空汰はさらに話した。
「何でもな、世の中はな」
「難しく考えてもか」
「解決せんもんや、考えるよりもや」
それよりもというのだ。
「動く方がええやろしな」
「そういえば真理は単純明快というわね」
嵐は空汰の言葉を受けて話した。
「そうね」
「そやろ、実際に」
「難しい文章や言葉はね」
「実は中身なくてな」
そうしたものでというのだ。
「真実ちゅうのは」
「わかりやすいものね」
「そや、全くな」
それこそというのだ。
「そうしたもんや、御仏の教えもな」
「お寺の方も」
「大師様の言われることもな」
「わかりやすいのね」
「その実はな」
「そうなのね」
「それはどんな教えでもやろ、真理はな」
まさにというのだ。
「わかりやすいんや」
「そうしたものね」
「そやから神威もな」
彼もというのだ。
「難しく考えんで」
「小鳥と封真を護りたいならか」
「それでええやろ」
「人間か地球かではなく」
「そこから考えてもな」
「いいか」
「別にな、考えてもあれこれ難しく考えることはないんや」
特にというのだ。
「別にな」
「そうか、では今はな」
「二人のことからやな」
「考えていこう」
「そういうことでな、ではこれでだ」
天の龍達と話を聞いてだ、神威は今はそれでいいと頷いた。そのうえで彼等に対してこう言ったのだった。
「帰らせてもらう、邪魔をしたな」
「お家に帰られますか?」
「その前に二人の家に行く」
護刃に微笑んで答えた。
「そうする」
「そうされますか」
「晩飯を誘われていてな」
それでというのだ。
「ご馳走になる」
「それはいいですね」
「何でも軍鶏鍋を作ってくれるらしい」
微笑んでメニューも話した。
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