第十三話 母親その五
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「俺はな」
「そうしてくれるのね」
「ああ、だがどうなっても」
「天の龍でも地の龍でも」
「俺は小鳥を護る、そしてだ」
「お兄ちゃんもなのね」
「そのことは絶対だ、人間か地球か」
このことはとだ、神威は小鳥に考える顔で話した。
「そのことはな」
「どうでもいいの?」
「そこまでは考えられない」
神威としてはというのだ。
「実はな」
「そうなの」
「この世界のことまでは」
考える顔のまま述べた。
「とてもな」
「考えられないのね」
「俺にはな、小鳥と封真にな」
「天の龍の人達ね」
「世界のことまでは」
どうにもという口調で話すのだった。
「まだ、いや若しかするとこれからも」
「考えられないの」
「馬鹿なのか、俺は」
こうもだ、神威は言った。
「天の龍か地の龍になるのに」
「それでもだっていうの」
「人間のことも地球のこともな」
そのどちらもというのだ。
「考えられない、これでは駄目なのか」
「それはわからないわ、私には」
小鳥は返答に窮した顔になって神威に答えた。
「多分天の龍の人達に聞けば」
「わかるか」
「そうかも知れないわ」
「わかった、聞いてみる」
それならとだ、神威は答えた。
「今日にでもな」
「そうするのね」
「そうしてみる、そして今はな」
まさにとだ、神威はまたお握りを食べた。そしておかずも食べてそのうえで小鳥に対してあらためて話した。
「小鳥とこうしていいんだな」
「いいよ、一緒に食べよう」
小鳥は神威の今の言葉に笑顔で頷いて応えた。
「よかったら今夜もね」
「軍鶏鍋か」
「それ食べよう、それでね」
「明日もだな」
「うん、一緒にね」
「こうして食べるか」
「そうしよう」
神威に自分から言った。
「さっきも言ったけれど」
「小鳥がそうしたいならな」
「そうしてくれるのね、神威ちゃんも」
「ああ、頼む」
「私の方こそね」
笑顔で話してだった。
二人はベンチに座ったまま小鳥が食べた弁当を食べていった、神威はその後は午後の授業を受けてだった。
議事堂に向かった、そして空汰達に小鳥に話した世界についての自分の考えを話したが。
空汰が笑ってだ、神威に言ってきた。
「それでもええんちゃうか?」
「いいのか」
「ああ、人間か地球かまで考えんでもな」
それでもというのだ。
「やがて持っていくやろしな」
「そうなのか」
「そういうのはな」
まさにというのだ。
「後で追い付いてくるというかな」
「備わるものでしょうね」
嵐も言ってきた。
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