第十三話 母親その一
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第十三話 母親
神威にだ、小鳥は学校で声をかけた。
「神威ちゃんお昼どう?」
「一緒に食べるかどうかか」
「うん、屋上でね」
神威に微笑んで話した。
「どうかな」
「わかった」
神威は笑顔で応えた。
「それならな」
「うん、それじゃあまたね」
「昼にだな」
「あたらめて声かけるから」
それでというのだ。
「一緒にね」
「食べような」
「そうしようね」
二時間目の授業が終わった後にだ、こうしたやり取りがあった。そして二人共普通に日常を過ごしたのだった。
神威はクラスメイト達にだ、こう言われていた。
「司狼実はいい奴なんだな」
「いつも教えてくれたり庇ったりしてくれてな」
「基本無口だけれどな」
「お前本当は親切だな」
「用事そっと手伝ってくれて」
「そうか、俺は別にな」
神威はクラスメイト達にほんの少し微笑んで応えた。
「そんなつもりはないが」
「いやいや、それでもな」
「皆お前には結構助けてもらってるよ」
「授業で当てられて答えられないとそっと答え言ってくれるしな」
「最初とっつきにくいと思っていたら」
「いい奴だったんだな」
「俺達誤解していたよ」
こう言うのだった、そして。
ここでだ、こんな言葉も出た。
「桃生さんとはどうなんだ?」
「小鳥ちゃんとな」
「最近結構一緒にいるけれどな」
「付き合ってるのかよ」
「それは、何と言うかな」
この問いには困った顔で述べた。
「どうもな」
「言えないか?」
「付き合ってないのか?」
「そうなのかよ」
「俺はそうしたことはよくわからない」
その困った顔で述べた。
「だからこう言うしかない」
「わからないのかよ」
「お前ひょっとして女の子と付き合ったことないのかよ」
「その顔でか」
「運動も勉強も出来るのにな」
「小鳥は幼馴染みだが」
それでもというのだ。
「付き合ってると言えるか」
「いや、幼馴染みからってあるだろ」
「よく聞くぜ」
「そうだからな」
「お前だってな」
「そうなのか」
要領を得ない返事だった、だが神威はクラスメイト達とも打ち解けていった。そして四時間目が終わるとだった。
小鳥が来てだった、彼に声をかけてきた。
「言った通りにね」
「ああ、屋上でな」
神威は自分の席を立って応えた。
「一緒に食おうか」
「お弁当持って来たから」
神威の分を差し出して言ってきた。
「今からね」
「一緒にな」
「食べようね」
「それじゃあな」
神威はその弁当箱を受け取った、そうしてだった。
二人で屋上に出てそこのベンチに並んで座って弁当箱を包んでいた布を解いてそうしてからだった。
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