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おっちょこちょいのかよちゃん
275 やっと会えたのに
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い方がいいわね。お帰りになるか、それとも・・・」
 妲己は笹山を睨みつけた。
「ここで死ぬか、どっちがいいかしら?」
 妲己の姿が変化し始めた。
「危ない、笹山かず子、車に戻るのだ!」
 姚崇が促した。
「あ、うん・・・!!」
 笹山は車に戻った。代わりに姚崇と張説が前に出て妲己に応戦しようとした。妲己の九尾の狐の姿となった。
「だ、妲己さん・・・!?」
「坊や、そなたを守るぞ。皆の者!」
「はい!」
 多くの遊女が馬車から降りて来た。衛兵達も集結する。
「ええい!」
 姚崇と張説が牛頭馬頭を召喚させた。しかし、九尾の狐は火炎放射を浴びせる。
「姚崇さん、張説さん!!」
 しかし、牛頭馬頭は何とか防御に成功させた。藤木は馬車に戻る。
(笹山さん、ごめんよ、もう君とは会う訳にはいかないんだ・・・)
 遊女や衛兵も二人を纏めて葬ろうとした。
「お、お願い、やめて!」
 笹山はもう一度車から降りた。
「藤木君、お願い、攻撃を止めて!!」
 笹山の声は今の藤木には届かなかった。遊女達は光線を出したり、地面を爆発させる術を出して攻撃した。
「そんな防御、いつまで持つかしらね?」
 妲己達の攻撃は止まない。
「う、うおお・・・!!」
「さ、笹山かず子、そなたは逃げるのだ・・・!!」
「そ、そんな・・・!!」
 笹山は全力で訴えた。
「お願いですからやめてください!」
「無理だ。我々は争いを正義とする世界の者。敵対者は容赦なく叩き潰す。この二人は則天武后の側近であろう。ならば我々の世界の敵だ。この二人を静粛させたら次は小娘、お前を消す」
 妲己は笹山を睨みつけた。
「それとも今すぐ死ぬか?」
 遊女の一部が笹山の方向へ攻撃の支度をする。
「い、嫌、お願いです!やめてください!私達、帰りますから!」
 笹山は泣きながら命乞いした。
「敵対者とはどちらかが死ぬまで終わらん。帰りたければ私達を倒すのだな。皆の者、まずこの二人を殺れ!」
 遊女や衛兵が姚崇と張説を襲う。
「うが・・・、すま、ぬ、武則天様・・・!!」
 姚崇と張説は応戦するが、対処しきれない。
 その一方、馬車から藤木とりえはその様子を傍観していた。
「藤木君、あの子は誰?」
「前に好きだった子だよ。でも僕はもう忘れたんだ。今はもう知らない人だよ。僕はりえちゃんだけが好きなんだ。だからあの子を好きになる事はないよ」
「ええ、私も藤木君がいればいいわ」
 その一方、笹山は絶望に追いやられた。
(そ、そんな・・・。ここで死ぬなんて・・・、やっと藤木君と会えたのに・・・!!)
 しかし、笹山にはある物があった。フローレンスから託された藤木を救出させる為の鍵となる道具が。それはボールペンのような道具で藤木に戻って来て欲しいという願いを
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