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おっちょこちょいのかよちゃん
275 やっと会えたのに
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を助けに行くよ!」
『山田かよ子ちゃん・・・、分かりました。では、三河口健さん達への救援、お願い致します。しかし、寄り道であります事に留意してください』
「はい・・・」
『ただ三河口健さんのいます所とは目的地からそこまで逸れていませんので支障はあまりありませんと思いますが』
「はい、急ぎます!」
 かよ子はフローレンスから方角を教えて貰い、羽根を再び動かす。
 
 笹山は藤木の姿を見て叫んだ。
「藤木君、ここにいたのね!」
 藤木は笹山の顔を見て驚いた。その前方で妲己と紂王が屋形の窓より顔を出した。
「何だ、あの小娘は?」
「どうやら茂坊やの事をご存知のようですね」
 紂王は馬車の一行を停止させるよう指示した。妲己は馬車から降りた。
「さ、笹山さん・・・」
「藤木君、あの子知ってる?」
 りえは呼んだ。
「あ、いや、その・・・」
(まずいな、りえちゃんに笹山さんの事知られたら怒られるかも・・・。そうなると僕から離れるんじゃないか・・・?)
 藤木は不安がよぎった。
「あの時、ごめんね、冷たくして!私、やっぱり藤木君がいなくて寂しかったの!皆も心配してるわよ!私がいるから元の世界に戻ろう!」
 笹山は藤木に訴えた。藤木は馬車から降りて笹山の前に立った。
「藤木、君・・・?」
 藤木は黙ったまま動かなかった。そして10秒ほど経つと・・・。
「帰ってくれ」
「・・・え?」
「僕はもう君を忘れるって決めたんだ。手紙にもそうあったろ?僕は『前の世界』になんて戻りたくいないんだ。戻ったってまた皆から卑怯者って呼ばれるだけだよ。それにこの世界はとても楽しいんだ。いつでもスケートができるし、笹山さんみたいに可愛い女の子もいっぱいいて僕を卑怯って言わないし、もう他に好きな子だってできたんだ!今更戻って来てなんて言われても嫌だよ・・・!!」
「そ、そんな・・・」
「僕はこの世界にいたいんだ!絶対に帰りたくないよ!」
「大丈夫よ!私がいるから・・・!」
「笹山さんがいて何をしてくれるってんだい?」
「う・・・?」
 その時、妲己が近づいて来た。
「そこの小娘、一体何の用だね?」
「あ、その・・・」
「坊や、この子を知っているのかね?」
「あ、いや、知りません・・・」
「え?そんな・・・、私は藤木君の友達です!」
「ほう、それで何しに?」
「藤木君を、連れ帰しに来たんです。フローレンスさんって人によってここに連れて来て貰いました。それからこちらの姚崇さんと張説さんに一緒に来て貰いました」
「・・・、この二名が?そうか。でも、この藤木茂様は帰りたがっていないようだが?」
「そうかもしれませんが・・・」
「僕は帰りたくありません!それに僕はこの子の事は忘れるようにしてるんです!」
「そうか、なら邪魔しな
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