第二章
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「どうしてなの?」
「だってお母さんいつも夜になったらお父さんに乗ってるよね」
息子は何も知らない顔で答えた。
「お互い裸になって」
「えっ!?」
「今日もしようって言ってね」
それでというのだ。
「それからお父さんが上になってお母さんの上で動いたりお母さんが四つん這いになったりしてね。あとお母さんよくお父さんのおちんちん舐めてるよね」
「お、おい住夫」
「何言ってるのよ」
夫婦で顔を真っ赤にして言った、見れば。
二人のそれぞれの両親も夫の弟夫婦も周りもだった。
住夫の話にあえて聞いていない振りをして顔を背けていた、新郎新婦もだった。
二人の方を意識的に見ない様にしている、だが息子はさらに言った。
「二人目がどうとか今度ブルマとかバニーガールとかチャイナとか買おうとか」
「ちょ、ちょっとこっち行こうな」
「おトイレ行きましょう」
夫婦は必死に作り笑いをしてまだ言う息子を式場から連れ去った、そして実際にトイレに連れて行ってだった。
それから彼を式場の人に預けお菓子やおもちゃも渡して退屈しない様に模した。そのうえで式場に戻ったが。
誰も何も言わず式は続いていた、そうして。
式が終わってから眠くなったので寝ている息子を負ぶって二人が住んでいる夫の勤務先の駅の傍のマンションの中にある自分達の部屋に帰ってだった。
夫は妻にだ、こう言った。
「聞かれてたんだな」
「そうよね」
二人でテーブルに向かい合って座って項垂れて話した。
「それで見られてたのね」
「夜のことな」
「こうしたことってあるってね」
「言うけれどな」
子供が見ていることはというのだ。
「まさかあんなところで言われるとかな」
「思わなかったわね」
「それで言われるとな」
そうなればというのだ。
「ダメージ大きいな」
「滅茶苦茶恥ずかしかったわね」
「ああ、だからな」
「それじゃあね」
「こうしたことはな」
「二度とない様にしないとね」
「住夫にはこうしたことがわかるまでな」
夫は妻に言った。
「外じゃ出来るだけ喋らない」
「そう教えていくことね」
「それで僕達の夜は」
この時のことも話した。
「住夫が寝たのを確認して」
「あの子がいないお部屋で鍵をかけてね」
「そうしような」
「いや、凄いダメージ受けたわ」
心からだ、妻は言った。
「正直言ってね」
「僕もだよ、洒落になってないよ」
「お父さんもお母さんも聞いていない振りしてたけれど」
「新郎さん達もな」
「言うまでもないし」
「実際はどうか」
振りなのは明らかだった。
「そう思うとな」
「こうしたこともな」
「しっかりしないとね」
「住夫には見られない様にしないとな」
夫婦で話してだった。
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