第一章
[2]次話
蛸の弱点
この時サラリーマンの山本大成若々しく明るい顔立ちで黒髪の右を上げてセットしている彼は家に帰って妻の結月きりっとした眉と二重の目で黒髪を長く伸ばし勝気な感じの赤い唇で背は一五五位と彼とは二十センチは離れている彼女に休日の釣りから帰って言った。
「面白いものが釣れたよ」
「面白いものって?」
「今日は魚はキスとかでな」
そうした魚が釣れてというのだ。
「蛸がな」
「蛸なの」
「釣れたっていうか獲ったか」
「そうなの」
「それで蛸もな」
この生きものもというのだ。
「捌いてくれるか」
「いいわよ」
結月の返事はあっさりしたものだった。
「すぐに捌くわね」
「お前が魚とか捌けてよかったよ」
「だって私調理師免許持ってるし」
結月はやはりあっさりと答えた。
「お父さん漁師で」
「慣れてるんだよな」
「だからお魚捌けるし」
そしてというのだ。
「蛸もね」
「捌けるのか」
「ええ、じゃあお刺身にするわ」
すぐにだ、夫に言った。
「そうするわね」
「蛸をか」
「ええ、そうするわね」
「じゃあ頼むな」
「早速ね」
こう言ってだった。
妻は夫から魚介類が入ったクーラーボックスを受け取ってだった。
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