第二章
[8]前話
「この子の買いものをしている時に撫でようとした人に驚いて」
「逃げてですね」
「駆けて間違って川に落ちて」
「この三日の間ですね」
「必死に探して探してもらって」
「マイクロチップがあったので」
警官はエレンに話した。
「それで、です」
「発見されたんですね」
「桟橋の下にいました」
「そうですか」
「はい、本当に」
「マイクロチップがあったからですね」
ザックをそのまま中年にした様な男が言ってきた、一家の父のダーンリー彼もこの街で弁護士をしている。
「そうですね」
「はい、ですから」
警官も答えた。
「無事に発見出来ました」
「やはりそうですか」
「そですからマイクロチップはです」
これはというのだ。
「どうしてもです」
「必要ですね」
「はい、本当に」
「そういうことですね」
「ではこれからもです」
エレンも言ってきた。
「ベアにです」
「マイクロチップをですね」
「そして他のこともです」
「していって」
「安全に。何があっても無事な様に」
「していきますね」
「そうします」
こう言うのだった、ベアもまた助かったのだった。
その二つの話をネットで観てだ、ミシガン州マスキーゴンハイツ消防署のスタッフジョン=クリガー髪の毛が薄い大男の彼は言った。
「こうした話があるんだな」
「イギリスでもニューヨークでも」
「そうですね」
「ああ、俺もな」
「ワン」
後輩達に今自分が凍った用水路から助けた白い大きな耳が立った犬を見つつ話した。
「この子助けたしな」
「二十七キロあったこの子を」
「担いで」
「犬も水に落ちるんだな」
クリガーはこうも言った。
「そしてそんな時はな」
「助ける」
「そうしないと駄目ですね」
「犬も家族で命があるんだ」
そうした存在だからだというのだ。
「だったらな」
「ええ、そうですね」
「助けないと駄目ですね」
「絶対にな、俺もこうした人達みたいに出来てよかった」
仕事の後こうした話を思い出した同僚から聞いてから言った、その後ろでは。
「トニーよかったな」
「ワンワン」
飼い主がその犬を抱き締めて喜んでいた、クリガーはその彼等を見てまた助けられてよかったと思ったのだった。
冷たい川から 完
2023・4・17
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