TURN50 セーシェル星域にてその十
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「ここまでなるとな」
「それでは」
「全軍マダガスカルまで撤退するぞ」
フランスは正式にこの指示を出した。
「後詰は俺がやる。皆すぐに下がれ」
「あの」
シャルロットだった。彼女もモニターに出て来た。
「機雷源ですが」
「ああ、避けて行くからな」
「ビーム攻撃で穴を開けました」
そうしたというのだ。
「ですから今のうちに機雷源を通って」
「おいおい、そうしてくれたのかよ」
「出過ぎた真似だったでしょか」
「いや、ファインプレーだぜ」
シャルロットのそれだというのだ。
「これはな」
「そうですか」
「ああ、よくやってくれたよ」
笑顔でシャルロットに話す。
「それじゃあな」
「そこからですね」
「機雷源に一斉射撃をさらに仕掛けてな」
そしてだというのだ。
「一気にマダガスカルまで下がるぞ」
「わかりました」
こうしてオフランス軍はフランスの指揮の下撤退にかかる。しかし。
そのフランスの乗艦がよりによってだった。
ビームの直撃を受けそれでだった。
「中破です!」
「第一主砲が破損しました!」
攻撃力が激減してしまった。
「高角ビーム砲座も幾つか吹き飛びました!」
「おい、いきなりかよ!」
フランスもこの事態には思わず叫んだ。
「これから撤退戦だってのにか!」
「今応急班を向かわせています」
「ダメージコンロとロールにかかっていますので」
すぐに省兵達がフランスに言ってくる。
「とりあえずエンジンは大丈夫です」
「指揮系統も健在です」
「それだったらまだいいけれどな」
フランスはそれを聞いて何とか安心した。しかし攻撃力が落ちたことは間違いなかった、これはかなり痛かった。
しかし敵は来る。それでだった。
フランスは徹底していく自軍を見守りながら言う。
「とりあえず盾になってでもな」
「マダガスカルまではですね」
「撤退しますか」
「生きてこそのものだねだからな」
それでだというのだ。
「皆いいな、とにかくな」
「はい、撤退ですね」
「今は」
「俺も最後で撤退するから安心しろ」
フランスも死ぬつもりはなかった。乗艦のダメージコントロールをしながら告げていく。
「いいな、今はな」
「はい、生きます」
「何があっても」
将兵達も応える。そうしてだった。
フランスは何とか全軍を離脱させんと己が盾になってまで戦っていた。東郷がそのフランスを見てこんなことを言った。
「流石は原始の八国だな」
「フランスさんはいざという時は意地を見せる方ですから」
日本がその東郷に話す。
「むしろ敗北が決定的になってからです」
「意地を見せるんだな」
「ワーテルローでもそうでしたし」
イギリス、プロイセン連合軍に敗れた。
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ