第百四十六話 クロイツェル伯爵夫人
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さんが、にこやかに私を見て、話してくれました。
『カーテローゼ・フォン・クロイツェル伯爵令嬢か、よく帰って来てくれた。此からは此処を我が家と思って健やかにすごして欲しい』
その時は判りませんでしたが、此処というのがノイエ・サンスーシで有ることに気がつくのは暫くしてでした。
その後、少し年上の女の子が自己紹介してくれて、更に驚きました。
『カーテローゼ・フォン・クロイツェル伯爵令嬢、私はテレーゼ・フォン・ゴールデンバウム、銀河帝国第三皇女です。カーテローゼさんとお友達になりたいのです』
皇女様が私なんかを友達に成りたいだなんて、私は驚いてしまいしました。私は同盟に生まれて同盟人として教育を受けてきました。皇帝は諸悪の権化、人類の敵、そう教わって来たけど、今話してくれている、皇帝陛下と皇女様は私達帝国からの亡命者を蔑んでいる同盟人と比べものに成らないほど優しい笑顔で私を心配してくれました。
その日から、私は恐れ多くもテレーゼ様の義妹としてノイエ・サンスーシで生活する事になり、カーテローゼ・フォン・クロイツェル伯爵夫人としてお母さん、お婆さん、お爺さんの名誉も回復されました。僅か9歳でも此がどれ程凄いか判りました。
リタ小母さんはお爺さんに仕えていたそうで、私を大切にしてくれます。テレーゼ様は私の事をお友達に紹介してくれて、みんなの妹として可愛がられています。けど9歳なのに夫人て変だよね。
「カーテローゼ様、そろそろお時間でございます」
今日はテレーゼ様がお作りに成った劇場のこけら落とし?っていうのに参加です。
リタさん、カリンで良いのに、恐縮するとか言って畏まってるんだよ、しょうがないね。
「リタさん、判ったわ」
お母さん、カリンは今幸せです。天国で見ててね。
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