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未知の玄関
本文
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[9] 最初
のような風貌の老年の男性であった。
平山はその男性に話しかけた。

「あなたも私と同じようにこの世界に迷い込まれたのですか?」

男は平山の顔を見ながら、「君と同じだ」と答えた。
平山は自分と同じ遭難者にあったことを嬉しく思い、元の世界への帰還方法を尋ねた。
男からの返答は無慈悲であった。

「君ね。私が元の世界への帰還方法を知っているなら、ここに留まるのはおかしいと思わないのかね? つまり、それが答えだよ」

その返答に絶望した平山に男は更なる追い打ちをかける。

「私が知っていることは、君も私も元の世界には帰れないということだけだ。長年の経験でわかったことだが、あの扉をつかって一度出た世界へは二度と戻れないらしい」

それを聞いた平山は初めのうちは絶望して生きる気力を失っていた。
だが、彼は元の世界へ帰還することを諦めたことで生きる気力を取り戻した。
彼は自分が生きて行ける世界を自分で見つけ、そこで生涯を全うした。

おわり

[9] 最初


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