第76話 魔女現る。
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の人が庇ってくれたんだ。でも彼女はその攻撃を足に喰らってしまった」
「大丈夫だったの?」
「命に別状はなかった。彼女は俺を見て驚いていたよ、どうしてこんな所に子供がって……俺はそれを聞いて怪訝に思ったがとにかく教団の人間じゃないと分かって助けを求めた。彼女はある男を始末するためにここに来たらしく俺達を助けに来たわけじゃなかったらしいんだ。でも事情を知ったら逃がしてあげると言われて一緒に逃げようと誘ってくれた」
「はい、お母さんもそう言っていました」
イソラさんはリィンを一緒に逃げようと誘ってくれたんだね。でもリィンは……
「でも俺はそれを断った、レンがいないのに俺だけが逃げるわけにはいかなかったんだ。彼女は困惑したが俺が事情を話すと理解してくれたようで自分の名前とこのことを遊撃士に話すと言ってくれたんだ。そして俺も彼女に名前を教えてイソラさんは脱出した」
「そんな事があったんだ……でもどうして教えてくれなかったの?」
わたしがそう聞くとリィンは苦い顔をした。どうしたんだろう……?
「……俺は彼女に裏切られたと思っていたんだ。だってそれから結局遊撃士や警察が動いた形跡は無く、俺が脱出して教団の情報をクロスベル警察に渡したことで事態は進んだんだ。カシウスさんやガイさんに一般人から何かの報告はなかったと聞いたがそれらしい情報は遊撃士や警察には来なかったと聞いたから……」
「ごめんなさい!」
リィンが悲しそうにそう言うとエマが急に頭を下げてきた。
「お母さんはつい最近まで昏睡状態になっていたんです!里に帰ってきたお母さんはボロボロで私達は必至で治療を繰り返してきました……そしてつい最近になって漸く目を覚ましてくれたんです……」
「えっ、そうだったのか……」
エマの言葉にリィンは目を見開いて驚いていた。
「お母さんが最後に喰らった術が呪いを与えるモノだったらしいんです。お婆ちゃんでも解除に時間がかかってしまって……お母さんは目を覚ました後に日付を確認して酷く慌てていました。話を聞いてリィンさんの事を知ったんです」
「イソラさんはちゃんと覚えていたんだな。それなのに俺は……」
「リィンさん、どうか気にしないでください。リィンさんがお母さんを恨んでも仕方ないです……」
リィンは申し訳なさそうに顔を歪めたがエマは仕方ないと答えた。誰もそんな事が起きるなんて分からないよね……
「お母さんはリィンさんを探しに行こうとしましたが呪いの影響で足を不自由にしてしまったんです。だから代わりに私がリィンさんに会いに行くことにしました。私も貴方にお礼が言いたかったんです」
エマはそう言うとリィンに深く頭を下げた。
「リィンさん、お母さんを助けて
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