第76話 魔女現る。
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終わるそうなので今日はキリカが手配してくれたホテルで休むことになった。
「さあリィン、話してもらうよ」
「分かってるって……」
わたしとラウラはリィンを部屋に連れ込んだ、丁度エマもこのホテルに宿を取っていたので彼女も連れてきた。あの黒猫も一緒だった、エマの飼い猫だったんだね。
そしてわたしが問い詰めるとリィンはイソラという人との出会いを話し始めた。
「あれは俺がまだD∴G教団に囚われていたころの話だ。当時の俺は教団の人体実験をされつつレンと一緒になんとか生きていたんだが、ある日俺がいた施設から別の場所に移されたことがあったんだ」
「別の場所?」
「俺もどこかまでは分からなかった、目隠しをされて耳せんまでされていたからな。気が付いたら俺は別の場所にいて数体の魔獣と戦わされたんだ」
「酷いことをする……」
わたしとラウラ、そしてエマは苦い表情を浮かべた。本当にD∴G教団って最悪の連中だ、命を何だと思っているんだろう。
「そこにはヨアヒムとローブを被った数人の人間がいたな、多分幹部だったんじゃないのかな?そいつらは俺を見て笑っていたよ……ただ」
「どうしたの?」
「その中に印象に残る程悍ましい雰囲気を持った奴がいたんだ。恐ろしい男だった、出来ればもう二度と会いたくないって思うくらいに……」
リィンはその時の事を思い出したのか顔を真っ青にしていた。
「リィン、大丈夫?」
「……ああ、大丈夫だ。すまない、話をそらしてしまって……」
「ううん、気にしないで。辛いなら無理して話さなくてもいいよ」
「いや、大丈夫だ。話を続けるぞ」
わたしはハンカチでリィンの額の汗を拭いた。辛いのならこれ以上は話さなくてもいいと言うとリィンはわたしの頭を撫でながら話を続けると言った。
「その後はまた別の場所に連れていかれて監禁されたんだけど、偶然にも小さな穴があってそこから抜け出せたんだ。そこは俺も知らない場所だったから慎重に隠れながら先を進んだ。ただレンがいなかったから脱出は考えていなかった、なにか教団について情報を得られないか探していたんだ。そしてある部屋で二人の男女が戦ってるのを見かけた」
「その人がイソラって人?」
「ああそうだ。二人は何かを言い争っていたが俺には話の意味が分からなかったな。でも男の方は俺が見かけた幹部の連中の中にいたから俺は女の人が遊撃士か何かで子供達を助けに来てくれたと思ったんだ。俺は隙を見て女の人に加勢した、男の武器を蹴り落とした隙にその女の人が放ったアーツみたいな術が男を貫いたんだ」
リィンはその女の人が自分達を助けに来てくれたと思って加勢したんだね。
「男は最後の抵抗で俺に向かって何かを放った、でもそれを女
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