第76話 魔女現る。
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生きてほしいと思うだろうな」
「ん、そういうこと」
わたしとリィンは今は猟兵をしているがいずれはそれを辞めないといけない。
そもそも猟兵は表で生きていけなくなった訳アリの人間、または単純に暴れたいなどの欲求が強い人間がなるものだ。
わたしとリィンはそういった理由じゃない、寧ろそれを分かっているのに望んで戦場にいるのだから頭がおかしいと言われても文句は言えないほど異常だ。
団長からしてもそんな異常者達の集まりである猟兵にはいつまでもいてほしくないのだろう、最近はわたし達に別の生き方をしたくないかと聞いてくることが増えた。
団長を安心させるためにもわたし達は自分の道を探さないといけない、まあ自分で考えてそれでも本気で猟兵として生きていく気なら止めないとも言っていたけどそれでも一度は団から出てほしいらしい。
わたしとリィンは西風の旅団に育ててもらった、云わば巣のような場所だ。いつまでも鳥のヒナがその巣にいられる訳が無いようにわたし達も巣立ちをしないといけない。
仮にそうなったら一番適性がありそうなのは遊撃士だ。結局やることは戦場で人間と戦うのが魔獣に変わるだけ。
そもそもウチは虐殺や無差別殺人をする系の依頼は断ってるのであくまで裏が付くけど探し物をしたり護衛をする系の依頼は受けてきた。遊撃士も護衛をしたり探し物をしたりするのでわたしとリィンは慣れているから上手くいくと思う。
まあ絶対に遊撃士をしないといけないわけじゃない、クロスベルにいた頃によく行ってたパン屋みたいな仕事も楽しそうだったし経験を活かして孤児院を作ってみてもいいかもしれない。
まあ今はやらないといけないことが多いからそんな事を考えている余裕はないけどね。
「それで二人はリィンが好きなの?」
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
「そうですよ、私達を置いて二人だけで話を進めないでください……」
話についてこれていなかった二人が非難を込めた目で見てきた。
「ごめんごめん、話を進めすぎちゃった」
流石に話を進めすぎちゃったね、クローゼはヨシュアの事も意識してるみたいだし、アネラスはわたしから見たらリィンに対してかなり好意を持ってそうだけど自覚はないみたい。
「まあ二人がそうじゃないなら別にいいよ。気になっただけだから」
「そ、そうですか……」
「でもフィーちゃんはどうしてそんな事を聞いたの?ヘタをしたら恋敵が増えるのに……」
「ん、まあさっきも言ったけど牽制かな?後は二人なら仲間にしても別にいいかなって思ったの」
わたしも別に誰でも誘うつもりはない、明らかに怪しい女やリィンを利用しようとする奴なんて論外だ。
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