第十三話 塔の中の時その一
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第十三話 塔の中の時
一行は塔の中を進んでいった、そしてまた神霊達を倒したが今度の神霊は水滸伝の百八人の豪傑のうちの九柱だった。
その彼等の最後に出て来た魯智深は笑ってだ、自分達を倒した一行に言った。
「よくやったな、これからも頑張れよ」
「はい、そうさせてもらいます」
笑顔でだ、綾乃が応えた。
「これからも」
「おう、しかし男は男前で女は別嬪さん」
魯智深は笑ってこうも言った。
「強くてそれはいいな」
「あれっ、確かあんた解脱してたやろ」
施は魯智深のその言葉に首を傾げさせて突っ込みを入れた。
「最後に」
「ああ、死んだ時にな」
魯智深自身そうだと答えた。
「そうなったな」
「それであんたそんなこと言うんか」
「何言ってる、解脱したからだよ」
これが魯智深の返事だった。
「軽くな」
「そんなことも言えるんか」
「欲がないからな」
「ああ、それでか」
「お前さん達が男前でも別嬪さんでもな」
「言い寄ることはないか」
「それは安心しろよ」
こう施に言うのだった。
「それでこれから先にもな」
「進んでいってやな」
「最後は踏破しろよ」
「そうさせてもらうな」
「まあ何万階もの階を踏破してもな」
それでもというのだった。
「ここでの時間は精々一ヶ月らしいがな」
「そんなんか?」
トウェインは魯智深のその話に驚いて言った。
「踏破しても」
「そうだよ、知らなかったのかい?」
ここで言ってきたのは魯智深ではなく時遷だった。
「ここの時間は外の世界と違ってな」
「時間の流れがか」
「どれだけ過ごしてもな」
「それで踏破してもか」
「何万階も登っておいら達と戦ってもだよ」
例えそうしてもというのだ。
「本当にな」
「精々一ヶ月かいな」
「それ位しかな」
「経たへんか」
「そやから外の世界のことはな」
「安心してええか」
「ここでかなり過ごして」
踏破の為に時間を消費してもというのだ。
「外に出てな」
「あれやな」
羅は真面目な顔で述べた。
「浦島太郎やな」
「ああ、その話を知ってるとなると話は早いな」
魯智深と共にいる武松が言ってきた。
「浦島さんもここにいるけれどな」
「そうみたいやな」
羅もこのことは知っていて応えた、どの階にどの神霊がいるかもマップに載っていてチェック出来るからだ。
「どうやら」
「あの人のお話だとな」
「竜宮城に何日かおったら」
「何百年も経っていただろ」
「そうした話やったな」
「そうしたことはなくてな」
武松は一行に明るい口調で話していった、豪快な感じが欲出ている。
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