第七十三話 海と木の間でその五
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「おかしいわね」
「馬鹿みたいなお話よね」
「本当に」
「というか徴兵制って言っても」
富美子はクールに言ってきた。
「戦前の日本の基準って難しかったんでしょ」
「そうそう、身体検査とね」
一華もそれはと応えた。
「日頃の行いも見られて」
「甲乙丙丁で甲じゃないと駄目で」
身体検査でとだ、富美子も言った。
「しかも品行方正でないとね」
「徴兵に合格しなかったのよね」
「だからクラスでも一人か二人位しかね」
「合格しなかったみたいね」
「そこまで厳しいと」
「かえって兵隊さんになる人少なくなるかも」
一華は考える顔で述べた。
「むしろ」
「志願制よりもね」
「それを変な運動家だけでなく政治家でも言ってるけれど」
「そりゃ票落ちるわよね」
「誰だってわかるから」
今の日本に徴兵制はそぐわないことはだ。
「もっと人手必要なら採用基準緩める」
「それでいいし」
「他のお仕事に人いってくれてそっち充実したら」
「国力上がるし」
「今の軍隊って専門職だから」
「少数精鋭がいいしね」
「そうしたことが全くわかっていないって」
それで徴兵制復活を懸念しているだの言うことはというのだ。
「その時点で馬鹿よね」
「私はアホですって言ってる様なものよね」
「そりゃ票落ちるわ」
「政党として支持率落ちるわ」
「しかもそれをね」
理虹は眉を顰めさせて言ってきた。
「学生運動の頃から言ってるんでしょ」
「若しくはそれ以前から」
「それって何も進歩してないってことね」
「全く勉強してなくて」
「あれね」
理虹はここでこう言った、真顔を作ってそのうえで呆れた様な表情も入れてそのうえで一華達の前で言ったのだった。
「全く成長していない」
「バスケの漫画ね」
「あの先生が言ってたでしょ」
「そのままね」
「そう、もうその頃から」
学生運動の頃からというのだ。
「その頃生まれてなくても」
「頭の中その頃ね」
「学生運動って馬鹿の集まりだけれど」
「今見たらね」
「その馬鹿の集まりからね」
そこからというのだ。
「まさによ」
「全く成長していない」
「頭も心もね」
その両方がというのだ。
「そんなのだから」
「まだそんなこと言ってるのね」
「学校の先生もね」
大学教授もそこに含まれる。
「そうなのよ」
「全く成長していないから」
「徴兵制復活とかね」
「言ってるのね」
「そうよ、まあつける薬がないと」
馬鹿につける薬はないという言葉からだ、理虹は言った。
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