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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第148話:異国の地にて
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弾の一発を口から吐き出した。
アルカノイズ、兵士の銃器では歯が立たない。残されたのは数両の戦車のみであった。
後退しながら砲撃する戦車。内部では車長の指示の元通信手が本部や他の車両と連絡を取りつつ、装填手が砲弾を籠め砲手が引き金を引こうとしていた。
「やっほー?」
「「「「ッ!?!?」」」」
そこに場違いに気楽な颯人の声が響き渡る。全員が一斉に声のした方を見れば、そこには魔法を使って戦車内部に上半身を入れている颯人の姿があった。
「うおぉっ!?」
「待て止せッ!?」
通信手が慌てて銃を抜き颯人を撃とうとするが、ここは狭い戦車の中。こんな所で迂闊に銃を撃ったりしたら、内部の計器を破壊したり跳弾で仲間を傷付けたり、最悪砲弾に誘爆する危険もあった。車長はその判断が出来たので慌てて通信手を止めたのだが、颯人には関係の無い話である。
「よっと」
徐に颯人はソードモードのウィザーソードガンを振り回し、乗員には傷を付けずに戦車の内部だけを破壊していく。火花を散らし、ボロボロになった戦車内部は何時誘爆してもおかしくない。
それが分かっている颯人は最後に出入り口のハッチを内部から撃ち抜き、上半身を引っ込め次の戦車を無力化死に向かった。
「あ〜、戦車の無力化って思ったよりも面倒臭いな。しょうがない、ちっと手荒に行くか!」
〈エキサイト、プリーズ〉
まだ何両もある戦車を、いちいち内部だけを破壊して無力化するのは時間が掛かる。そう考えた颯人は新たな魔法、エキサイトの魔法を使用した。
エキサイトの魔法は肉体強化。見た目もまるでヘラクレスか超人ハルクの様に筋骨隆々の大男となり、圧倒的なパワーで相手を叩き潰せるようになる魔法だった。
「フンッ! ドリャァッ!」
拳を振り下ろせば戦車の砲身が飴細工の様にぐにゃりと曲がって使い物にならなくなり、ちゃぶ台の様にひっくり返せば自力で起き上がれない戦車は何も出来ない。
まだ他にも戦車は残っているが、それらも翼が切り裂き、何の映画を参考にしたのか分からないが響が砲塔を引っぺがし他の戦車をぶん殴って行動不能にさせた。
地上戦力が次々と無力化されていくのを、この防衛ラインの指揮を執る隊長は奥歯を噛みしめて見ていた。
「こうなったら……!」
「隊長? どちらへッ!?」
突然指揮所を離れる隊長を通信手が引き留めようとするが、彼は気にも留めず何処かへと向かった。
そうとは知らない颯人達は、地上戦力を無力化し指揮所を制圧しようと先に見えるゲートに目を向けた。
その時、ゲートの向こうから光の柱が空に向けて伸びた。
「何だ何だ?」
颯人達が光の柱に釣られて上を見上げると、雲の中から巨大な戦艦が姿を現した。
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