暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第148話:異国の地にて
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兵士達。だが彼らは見落としていた。凧よりも先に自分達の頭上を通り過ぎた存在が居る事を。
 その存在……メイジに変身してライドスクレイパーに跨った透は、兵士たちの頭上を通り過ぎると太陽を背にするように飛び降り兵士達の居る場所のど真ん中に降り立った。

 土煙を上げながら降り立った透に、兵士達は一瞬何が起きたのか分からず広がる土煙を凝視する。だが風に土煙が流され、透の姿が鮮明に見えるようになると、直ぐ傍に肉薄されている事実に息を呑んだ。

「て、敵――」

 兵士の内何人かは素早く反応し透に銃口を向けるが、彼は発砲を許さない。ここで下手に透を撃とうとすれば、流れ弾が他の兵士に当たってしまう。透は両手に持ったカリヴァイオリンで素早く兵士達が持つ銃を切り裂き武器を奪っていった。

 兵士達の間を駆け抜け、透が誰1人傷付ける事無く戦う力を奪っていく。その間に、凧からは慎次達3人が飛び降り政府軍の鎮圧に参加した。

 クリスと響は翼や奏と共にアルカノイズの殲滅を行い、慎次は忍術と優れた体術を駆使して兵士を無力化。対人戦力が加わった事で、透は颯人と共に戦車を始めとした兵器群の相手に取り掛かった。

 魔法少女事変初期は苦労させられたアルカノイズも、シンフォギアを強化し更に幾つもの事件を解決に導いた彼女らにとっては烏合の衆に過ぎず。飛ぶ鳥を落とす勢いで次々と切り裂き、撃ち抜き、叩き潰していった。

 そんな彼女らを放置する訳もなく、慎次からの攻撃を逃れた兵士達が徒党を組んで一斉に攻撃する。銃弾の嵐に晒され、クリスが足を止めた。銃弾程度で傷付くシンフォギアではなくとも、こう攻撃を集中されると身動きがとり辛い。
 そこに兵士の1人がRPGをお見舞いした。本来であれば対戦車兵器のロケットランチャー。無誘導故弾道は安定しないが、安価で威力は抜群。人間相手に使えばミンチよりひどい事になるのは確実と言う兵器を、彼らは躊躇いもなくクリス相手に使った。

 動かないクリスに直撃するロケット弾。戦車すら一撃で行動不能にする攻撃を喰らって、無事で済む筈がないと彼らは笑みを浮かべた。

 しかしその笑みは早々に引っ込んだ。爆炎が晴れると、そこにあったのはクリスの死体ではなく光の障壁。クリスを傷付けまいと、素早く間に入り込んだ透の張った障壁である。

 戦車の装甲すら粉砕する一撃を防がれ、唖然とする兵士達。その隙に透が障壁を消すと、透の方にクリスのボーガンが乗り引き金が引かれた。光の矢が狙い違わず彼らの持つ銃器を粉砕する。

「うぅっ!? 退け、退けぇッ!?」

 攻撃が通用しなかった上に武器を奪われ、対抗手段を失った兵士達は慌てて逃げていく。その彼らの背を見送りながら、透の後ろから出てきたクリスは満足気な顔をしながら先程の銃撃の最中受け止めた銃
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