第八十三部第四章 戦線崩壊その三十五
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「レーションは便利だ」
「左様ですね」
「戦闘中でも食べらます」
「だからですね」
「ここはだ」
まさにというのだ。
「食べてもらう」
「わかりました」
「では、ですね」
「この度は、ですね」
「食べてもらい」
「その途中も」
「そしてそれからも」
「戦闘は続けてもらう」
こう言ってだ、実際にだった。
アッディーンも食事を摂った、オムダーマン軍はそうした余裕がまだあったがティムール軍にはそうでない者もいた。
要塞等防衛施設から撤退している将兵達はこう言っていた。
「飯の時間だけれどな」
「今はそれどころじゃないぞ」
「とりあえず撤退してからだ」
「艦に乗り込め」
「全てはそれからだ」
こう話してだ、彼等は撤退を進めていた。
そしてだ、その中で食事は後回しになっていた。それで言うのだった。
「腹減ったけれどな」
「それでもな」
「まずは待っていてくれている艦に乗り込んで」
「そしてな」
「それからだな」
「飯は」
「さもないとな」
一刻も早く艦に乗り込まないと、というのだ。
「撤退出来ないからな」
「早く艦に乗り込め」
「そうしたら飯が食えるぞ」
「それもたらふく食えるぞ」
こうした話をしつつ急いでいた、そして。
彼等は艦艇に次々に乗り込んでいった、限界まで収容した艦は施設から離れ撤退に移る、そしてだった。
そこで要塞等にいた将兵達はレーションを食う、それで言うのだった。
「やっと食えるな」
「これが人生最後の飯かも知れないけれどな」
「とにかく食えてよかったな」
「ああ、ほっとしたぜ」
「やっぱり食わないとな」
食事、それを摂らねばというのだ。
「どうしようもないな」
「何も出来ないぜ」
「餓えている軍隊は弱いっていうけれどな」
「当然だな」
このことはというのだ。
「力が出なくてな」
「満足に戦えないからな」
「それじゃあな」
「まずは飯食わないとな」
「どうしようもないな」
「何をするにもな」
それこそというのだ。
「飯だ」
「そうだよな」
「さっさと食おうぜ」
「それでいざっていう時に備えようぜ」
「腹一杯だと死んでもその分楽だしな」
「楽に天国に行けるだろうしな」
こうしたことも言うのだった。
「じゃあな」
「さっさと食おうぜ」
「それで後はな」
「何かあれば」
「その時にな」
「俺達も戦える様にしようぜ」
こう言ってだ、そのうえでだった。
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