ウェルカム トゥ アイングラッド
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じく気を緩めていたキリトも背中の剣の柄を握る。
何時モンスターが出ても良いフィールドで、完全に気を緩むのは初心者でもやらないミスだ。
胸の中で自分自身に舌打ちをしながら戦闘態勢になるとそこには紛れもなく人間―――俺やキリトと同じプレイヤーだった。
年齢はキリトと同じくらい。防具はホルンカで見かけた革鎧と円形盾(バックラー)。武器は俺やキリトと同じ。
だが、それを手に握っているわけではなく、その手は体の前で打ちかけている体勢だった。要するにさっきの音は彼が拍手をした音だった。
俺とキリトは小さく息を吐きながら、手を下ろした。
「……ご、ごめん、驚かして。最初に声を掛けるべきだった」
「………いや、俺たちこそ…過剰反応してごめん」
もごもごと応じたキリトは、行き場のない手をハーフコートの手に突っ込む。俺も内心安堵しながらダガーの柄から離し、手を腰に当てた。
真面目そうな印象を与える少年はほっとしたように笑顔になり、右手の指を右目にあたりに持っていたがすぐにバツが悪そうに手を降ろした。その動きだと彼は現実(リアル)ではメガネをかけていたのであろう。
そう思っていると、その少年がおもむろに口を開いた。
「れ、レベルアップおめでとう。早いね」
「早いって…それを言うなら、そっちも早いんだな。勘でここに来たこいつは別として、違う誰かがここに来るのはあと二、三時間後だと思ってたからな」
「あははは、勘って・・・。僕も一番乗りだと思ってたよ。ここは、道が分かり難いからね」
といい苦笑いした。あれ、もしかして俺なんかすごいとこ勘で来ちゃったの?←いまさら気づいた
そんなかんだで少年はキリトと話していた。
話を聞く限り、眼前に立つ少年もキリトと同じ《元βテスター》だった事は間違いなさそうだ。
キリト曰くこの森はかなり迷路じみているから、この場所をピンポンイトで来れるのは《元βテスター》ぐらいしかいないからほぼ間違いないだろう。といっていた。
てか、そんなところをよく勘で来れたなとつくづく思うよ。やっぱり運だけはいいほうなのかな?
と一人でそんな考えにふけっていると元βテスターの少年がおもむろに口を開いた。
「君も受けているんだろう?《森の秘薬》クエ」
《森の秘薬》とはキリトが受けているクエストのタイトルらしく、キリトはゆっくりと頷くと彼は再び見えない眼鏡を手でやりながらにやっと笑った。
「あれは片手剣使いにとっての必須クエだからね。報酬の《アニールブレード》は三層の迷宮区まで使える」
「まぁな。けど………見た目がイマイチなのが難点だが」
「こんな下層で見た目も性能も良い奴があったら是非見てみたいな
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