ウェルカム トゥ アイングラッド
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ら少年に
「……なぁ、それ俺にも手伝わせてくれないか?」
といった。
「えっ……」
いきなりの俺の提案に少年は少し驚いている。まぁ、会って間もない人間がパーティーを組もうと持ち掛けるのは余りにもおかしいからな。
「別にパーティーを組もうって訳じゃなくて、ここで乱獲するなら俺も混ぜてくれってことだ。こちとら、あくまでレベル上げが目的でここに来たからよ」
パーティ組んでくれるならこっちとしてもうれしいけどな、と苦笑いで付け加える。
どうやらしばらく考えたようで、
「……分かった。それで良いなら、俺は良いぞ」
と了承してくれた。
そう言って少年――キリトは静かに握手した直後、キリトの視線は森の奥に向けられる。俺も反射的にその方向を見ると、ゆっくり動き回る二つのカーソルが点在していた。恐らくあれは、リトルネペントだ。
「おっと。さっそく乱獲対象発見だな」
「ああ。他のプレイヤーが来る前に《花つき》を倒して胚珠を出さないとな」
「だな。じゃ、行きますか!」
互いに握手していた手を拳を変え互いに合わせた後、俺とキリトは笑いあい、同時に剣を握って二体のリトルネペントを標的にして、駆けだした。
side out
* * *
「おらっ!」
その気勢と共にネペントを切り裂く。ネペントはそのままドシンッと地面に倒れて、ポリゴンの破片となる。
キリトと共にリトルネペント乱獲を始めて約三十分が経ったが、未だに《花つき》ネペントは姿を現さない。
「やっぱ、さっきので運を使いきっちまったか……」
ここまで倒しても出ないとは本当に出現確立が低いんだとよく分かる。
と、そんな時、約三十分前に聞いたファンファーレが耳に響く。振り返るとキリトの体が金色のライトエフェクトが身体全体を包み込んだ。
「初レベルアップおめでとさん」
「サンキュー、そっちはまだレベルアップしないんだな」
「俺はさっきレベルアップしたからな」
「ああ。そういえば、俺に会う前に《ブラックマウス》とエンカウントしたんだっけ。」
「ホント、良く生きていたと自分でも思うぜ。まぁ、実際死に掛けたのは事実だからな」
「ホント運が良いだな」
「今後、運には期待できそうにないな」
俺たち二人は軽口をいい、お互い同時に笑い出す。そんなこんなでキリトはステータスアップの配分が終わったようだ。
ウインドを閉じ、さあもう一狩りいこうとした瞬間―――
不意に、ぱんぱん、という乾いた音が連続して響いた。
「「ッ………!!」」
まずい、と思うと同時にスローイングダガーの柄を握る。同
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