ウェルカム トゥ アイングラッド
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は、厚かましいと判りながらも元βテスターさえよければ、戦闘の手ほどきやコツ、効率のよいレベル上げスポット等を教えてもらおうと思い、戦闘が終わるのを待つことにした。
そんなことを思っていた時、少年の背後にもう一体の《リトルネペント》が現れ、今、正に少年を攻撃をしようとしていた。
俺はとっさに
「そこのお前!危ないぞ!!」
と大声を上げながら、腰のベルトからスローイングダガーを抜く。
先ほどのレベルアップ時に、唯一空けていたスキルスロットに《投剣スキル》で埋めた事により使える様になった基本技|《シングルシュート》のモーションで投げる。
漆黒の中を鮮やかな光のラインを引いていき、飛んでいくダガーは吸い込まれるようにネペントに突き刺さる。俺は、ネペントが怯んでいる隙に剣を手にして少年とネペントの間に割り込んでいく。
「あんた……!」
「話は後だ。こっちは俺が殺る。そっちは任したぞ!」
「あ、ああ!《リトルネペント》の弱点はウツボ部分と太い茎の接合部だ!そこを中心的に狙え!」
「そうだったのか。サンキュー!」
軽く礼を言いながら、地面を蹴る。ネペントは、先端が短剣のような形をした二本のツルで切り払ってくる。俺は手にしている剣でパリィしながら距離を詰めていく。
そして、少年に言われた通りにネペントの接合部を水平に斬りつける。レベルが上がった事でネペントの体力を大幅に削る事に成功し、尚且つ大ダメージをいきなり喰らったからか、ネペントは後ろに後退をした。
それを好機と見てすぐさま剣を大きく左に引いて、モーションを作る。これによって、ソードスキルを発動して、刀身に薄水色の光が灯った。
「せいやぁっ!」
一気に地面を蹴り、単発水平斬撃技|《ホリゾンタル》でむき出しとなった茎を一気に切り裂いた。それによってウツボ部分は茎から離れ、そのHPゲージは空となった。それと同時にネペントの体はポリゴンの欠片となり、爆散した。
「……らぁっ!」
背後からは気合の篭った掛け声が聞こえ、振り返ると少年は俺と同じく《ホリゾンタル》でネペントを両断した。
「ふぅ、お疲れ」
そう言いながら、少年に近づくと少年は背中の剣帯に剣を納めてから頭を少し下げた。
「助けてくれてありがとう。あんたの援護が無かったら俺は今頃……」
「良いって。目の前で殺されそうになっている奴を黙って見逃すほど落ちぶれていないんでね」
そう言いながら、手の剣を腰の鞘に収めると少年の視線はこちらの方へ向けられた。
「ん?どうした?」
「あ、あぁ……いや、ここに来るのが早いなと思ってさ。他の誰かがここに来るのは数時間後だろうと踏んでたんだが」
「そうなのか?
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