第九十四話 牛丼を食べてその二
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「もうあれじゃない」
「あれっていうと?」
「ニキータの色違いにも見えるし」
「映画の」
「ええ」
まさにというのだ。
「そこまでよ」
「派手なのね」
「そそられる?」
咲は考える顔になって言った。
「女の子から見ても」
「そんな恰好なの」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「今回はちょっと」
「駄目かしら」
「あの、スカートから見えない?」
咲は愛にこうも言った。
「ちょっとしたらね」
「ショーツが見えるかもっていうのね」
「そうならない?」
こう言うのだった。
「その短さだと」
「大丈夫よ、これ位だったらね」
愛は心配する咲に笑って話した。
「別にね」
「見えないの」
「そう、そこはチェックしたから」
「お姉ちゃんの方で」
「そうしたらね」
「見えなかったのね」
「そうなのよ」
「だったらいいけれどね」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「座って足を組んだら」
そうしたらというのだ。
「やっぱりね」
「その時はなのね」
「危ないかもね」
「あの、デニムとかタイトのミニって」
咲は眉を顰めさせて愛に近寄り怪訝な顔になってそのうえで彼女に話した。
「座ると電車とかの向こう側の席からね」
「見えるのよね」
「よく三角ゾーンとかいうけれど」
それでもというのだ。
「それでね」
「見えるのね」
「そうなるから」
だからだというのだ。
「お姉ちゃんもね」
「危ないわよね」
「そこは注意してね」
「これまでずっと立ってたけれどね」
「それならいいけれど気をつけてね」
その露出の多い従姉に言った。
「今日はね」
「じゃあ帰りも立ったままね」
「別に下にアンスコとか穿いてないでしょ」
「普段着だからね」
それでとだ、愛も答えた。
「別にね」
「だったらよ」
「尚更ね」
「そう、気をつけて」
そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「見えない様にすることね」
「ええ、ただね」
ここでだ、咲は。
愛のその白い露出の多い服をまじまじと見てだった、そのうえでこんなことを言った。
「お姉ちゃん下着白かしら」
「透けてないでしょ」
「白い服でね」
「夏だから生地薄いしね」
「白以外の色だとね」
下着はというのだ。
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