第六幕その一
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第六幕 長生きする生きもの
トミーはお家に帰った先生に尋ねました。
「オオサンショウウオのことはどうですか?」
「論文は順調でね」
「動物園の方もですか」
「そちらはこれから次第だね」
先生はスーツから作務衣に着替えています、その服装で座布団の上に座ってくつろぎながらトミーに答えます。
「本当に」
「そうですか」
「奥さんがどんな娘か」
「つがいになるからですね」
「いい娘とは聞いてるけれど」
それでもというのです。
「実際にどうかはね」
「会ってからですね」
「わかることだから」
それでというのです。
「これから次第だよ」
「そうですか」
「そのことはね。ただ心配はしていないよ」
「悪い娘じゃないんですね」
「オオサンショウウオはのどかな気質だからね」
生きものとしての性格はというのです。
「平和でずっとそこにいる様な」
「大人しい生きものですね」
「だからね」
それでというのです。
「僕としてはね」
「心配していないんですね」
「これから次第でもね」
それでもというのです。
「そうはなっていないよ」
「じゃあ安心していますね」
「やるべきことは動物園の人達が全てしてくれているし」
雌のオオサンショウウオを迎えて夫婦にすることはというのです。
「そのことでもだよ」
「心配はいらないですか」
「動物園の人達はよくしてくれているよ」
オオサンショウウオのこともというのです。
「そつがないよ」
「あの動物園はその琴でも有名ですね」
「いいお仕事をすることでもね」
「それぞれの生きもののことをよくわかって」
「そしてね」
先生はトミーが出してくれた麦茶を飲みつつ答えました。
「公平かつ的確にね」
「飼育をしていますね」
「ご飯はちゃんとあげて」
「お掃除もしてますし」
「清潔な環境も保って診察もね」
定期的なそちらもというのです。
「忘れていないから」
「いい動物園ですね」
「そう思うよ、日本の動物園は」
「全体的にいいですね」
「それで八条動物園もだよ」
学園の敷地内にあるこの動物園もというのです。
「広くて様々な生きものがいるだけでなくて」
「飼育環境もいいですね」
「だからね」
「オオサンショウウオもですね」
「ちゃんと飼育してくれていて」
「奥さんを迎える準備もですね」
「整えてくれているよ」
そうなっているというのです。
「だからね」
「先生が言われることはですね」
「特にないよ」
そうだというのです。
「これといってね」
「じゃあそちらのことも」
「大丈夫だよ」
「それはいいですね」
「うん、ただね」
「ただ?」
「どうもオオサンショウウオを迎
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