第六幕その一
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第六幕 はじめたばかりでも
皆は安土城を出てからも黄色い煉瓦の道を北に進んでいきました、そうして三日程歩いていくとでした。
水田が見えてきました、恵梨香は紫の稲のそれを見て言いました。
「あれがかしら」
「ええ、そうよ」
オズマがにこりとして答えました。
「あの水田がね」
「開拓しているですね」
「水田よ、そして近くにね」
「南瓜畑もあるんですね」
「そうよ、ではね」
「今からですね」
「あちらに行って」
そうしてというのです。
「そのうえでね」
「あちらでお仕事をするんですね」
「そうよ」
そうするというのです。
「だからね」
「今からですね」
「行くわよ、いいわね」
「わかりました」
恵梨香が笑顔で応えてでした。
皆で水田の方に行きました、するとです。
そこには水田が広がっていましたが。
広いお池の様な場所のほんの一角だけが水田で他の場所はまったくです。
ただ水面が広がっているだけです、ジャックはその状況を見て言いました。」
「まだまだなんだ」
「そうなの、開拓したばかりでね」
オズマは水田を見て言うジャックにお話しました。
「それでなの」
「まだ一角だけをなんだ」
「水田にしただけなの」
「そうなんだね」
「ここは最初沼地で」
オズマはその果てしなく広い水面を見ながらさらにお話しました。
「何もいなかったの」
「生きものがなんだ」
「そうなの、だからね」
「水田にしてだね」
「皆がもっとお米を食べられる様にするの」
「そうだったんだ」
「お水は奇麗にしたけれど」
「水田にするのはこれからなんだ」
「そうよ、水路を造って沼地を川とつなげて」
その様にしてというのです。
「沼地に奇麗なお水を入れて濁ったお水を出す様にしてね」
「お水を奇麗にしたんだ」
「そしてね」
そのうえでというのです。
「深さも一定にしたの」
「水田を作られる様になんだ」
「そこまでも大変だったけれど」
「これからもだね」
「そうなの、水田を作るけれど」
それでもというのです。
「これからもよ」
「大変だね」
「そうなの、だから私もここ来たし」
「この広い沼地だった場所を」
「全部水田にするわよ」
「そうするんだね」
「ええ、区割りもしてね」
そのうえでというのです、こうお話するのでした。
そして皆で今ある水田を見ますと。
紫のギリキンの稲達が実っていてです。
そうしてでした、お水の中に蛙に泥鰌やタニシ、蛙にザリガニ達がいてです。
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