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第十二話 風使その十四

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「貴方達はね、神様でもないのよ」
「僕達地の龍はですね」
「天の龍の七人もそうであってね」
「人間と人間ですか」
「そういうことよ、人間だから」
 他ならぬというのだ。
「自分を蔑むことはないし」
「思い上がってもいけないですね」
「思い上がれば」
 姉のもう一人のことを思い出した、そして言うのだった。
「人ではなくなるわ」
「神様ですか」
「傲慢な神様は何か」
「自分の力に対して」
「こんな恐ろしいものはないわね」
「はい、まさに最悪の存在です」
 遊人もそれはと答えた。
「言うなら暴君です」
「暴君は権力を持ってね」
「それを思いのままに操って」
「自分のしたい様にするわね」
「歴史を見るとその恐ろしさがわかりますが」
「傲慢な神様もね」
「同じですね」
 庚にこう答えた。
「暴君と」
「それも一国ではなくて」
「世界に及ぼすのならね」
「より恐ろしい存在ですね」
「そうなったら終わりよ」 
 庚は眉を顰めさせて述べた、そうしつつ自分と牙暁そしておそらく本人だけが気付いている存在を脳裏に思い浮かべつつ話した。
「もうね」
「それが今の人間ね」
 ここで颯姫が牛乳を飲んでから言ってきた。
「科学という力に驕り」
「地球を汚しているというのね」
「ええ、そうした神ね」
「貴女はそう考えるのね」
「違うかしら」
「否定はしないわ」
 これが庚の返事だった。
「貴女のその考えは、けれどね」
「私達もまた人間なのね」
「そのことは忘れないで」
「不思議な言葉ね」 
 颯姫は今の庚の言葉にこう返した。
「とても」
「そう思うのね」
「ええ」
 実際にとだ、庚は答えた。
「傲慢な神の様な人間を滅ぼすのに」
「人間だということはなのね」
「そう思うわ、けれど貴女の言葉は受け入れられるわ」
「そうなのね」
「理由はわからないけれど」
 それでもというのだ。
「それが出来るわ」
「そうなのね」
「ええ、では人間になるわ」
「そうしてね」
「是非ね、では朝ご飯を食べたら」
「学校に行くわ」
 颯姫は静かに答えた。
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