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第十二話 風使その十三

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「なかったから」
「ではこれからはです」
「笑えばいいのね」
「そうです、これまではそうであっても」
「今は」
「そしてこれからは」
 まさにというのだ。
「そうしていけばいいです」
「そうなのね」
「辛くとも笑えば」 
 遊人はその笑顔で話した。
「それだけで違いますよ」
「楽しくなるの」
「その時すぐは無理でも」
 それでもというのだ。
「やがてはです」
「そうなのね」
「ですから」
「私達も」
「笑って下さい」
「滅ぼす世界にいてもね」
 また庚が言ってきた。
「笑えばいいのよ」
「楽しんで」
「ええ、喜怒哀楽はね」
 この四つの感情はというと。
「人が人であるね」
「条件なのね」
「そうよ」 
 まさにというのだ。
「地の龍、七人の御使いでもね」
「人間であることなの」
「七人と言うわね」
 庚はこの言葉に重点を置いてきた。
「天の龍は七つの封印で」
「私達は七人ね」
「何故七人か」
「人間が七つ」
「そう、つまりね」
「私達は人間なのね」
「むしろ天の龍よりもよ」
 七つの封印と言われる彼等よりもというのだ。
「人間とね」
「言えるのね」
「彼等があれだけ人間的なら」
 七つの封印と呼ばれる彼等がというのだ。
「私達はよりよ」
「人間的であっていいの」
「そうよ、七人だから」
「七つに対して」
「それでいいのよ」
「そうなのね」
「だから貴方達はね」
 颯姫だけでなく??にも話した。
「喜怒哀楽を学んで」
「身に着けて」
「人間であることよ」
「そうなのね」
「そして貴方達はどんな力を持っていても」 
 それでもというのだった。
「人間よ、化けものではないわ」
「力の問題ではないのですね」
「そうよ、心が人間ならね」
 遊人に応えて話した。
「それならよ」
「僕達は人間ですか」
「そうなのよ、だからね」
 それでというのだ。
「貴方達の力はね」
「人間の力ですね」
「そうなのよ、だから何も思うことはないわ」
「化けものの様に」
「そして神様でもないのよ」
「化けものでないと共にですか」
「ええ、人間は人間よ」
 あくまで、そうした言葉だった。
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