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第十二話 風使その十

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「世界はね」
「人間も地球も」
「恐ろしいことになるわ」
「言うなら暴君ですね」 
 牙暁は庚と正対して共に立ちつつこの言葉を出した。
「そうですね」
「そうよ、もう一人の姉さんはね」
「世界を意のままに動かし」
「夢見の力、他の力も」
「そうしていかれる」
「まさによ」 
 文字通りのというのだ。
「だからこそ」
「世に出してはいけないし」
 決してというのだ。
「そして姉さんもよ」
「お救いしなければならないですね」
「そうよ、姉さんにはああ言っているけれど」
 本人にはというのだ。
「私はね」
「その様にお考えですね」
「この世で二人だけの姉妹で」
 そうした間柄でというのだ。
「姉さんが一番よ」
「貴女を愛してくれましたね」
「それでどうして大事に思わないでいられるか」
 牙暁には言うのだった。
「私にしても」
「だからこそ」
「そうよ、何としても助けるわ」
「もう一人のあの方を除いて」
「その為にね」
「はい、夢を見させてもらいます」
 牙暁は即答で応じた。
「僕は」
「お願いするわ、そうしてね」
「世界だけでなく」
「姉さんもよ」
 その両方をというのだ。
「救うわ、その為には」
「彼女の犠牲については」
「仕方ないとね」
 その様にというのだ。
「割り切るしかないわね」
「そうですね、では」
「ええ、あと三人よ」
「地の龍に来てもらえば」
「動くわ、もう剣は手に入ったから」
「揃うだけです」
「そうよ、来てくれるのならいいわ」
 今おらずともというのだ。
「それならね」
「そうですか」
「そしてね」
「七人全員揃えば」
「それからよ」
「動きますね」
「戦いをはじめるわ」
 そうするというのだ。
「いよいよね」
「はい、それでは」
「今は眠りに入るけれど」 
 深いそれにというのだ。
「またね」
「はい、お会いしましょう」
「そうしましょう」
 こう話してだった。 
 庚は寝た、そして。
 翌朝共に朝食を食べている颯姫と??に微笑んで言った。
「今日も頑張ってね」
「学校に行ってなのね」
「日常を過ごせと言うんですね」
「そうよ、私達が滅ぼす世界でも」 
 それでもというのだ。
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