第十二話 風使その九
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「姉さんが見た通りにね」
「貴女はあくまでそう言いますか」
「ええ、そしてね」
それにと言うのだった。
「姉さんは崩壊した世界を見て絶望するのよ」
「だからこそ貴女は」
「姉さんと対しているのよ」
「わらわの前から離れて」
「そうよ」
それでというのだ。
「人間の世界を滅ぼして姉さんを絶望させる為に」
「何があろうともですか」
「姉さんの前にいるわ、それに地球はね」
自分達がいる星はというのだ。
「間違いなくよ」
「危機に瀕している」
「だからよ」
それ故にというのだ。
「地球を救わなくてはならないのよ」
「そう思うからこそ」
「私は地の龍を束ねているのよ」
その見解からもというのだ。
「そうなのよ」
「そうですか、では」
「ええ、私達はこうなる運命だったのよ」
やはり心を箱に入れつつ話した。
「姉妹としてね」
「対する」
「そうよ、それなら」
「対する運命なら」
「私達はどちらが勝って」
そうしてというのだ。
「決着をつけるしかないのよ」
「人間か地球か」
「そうよ、ではまたね」
「わらわの夢に来ますか」
「ええ、そうさせてもらうわ」
丁そして彼女の後ろを見てだった、そのうえで。
庚は丁の前から去った、そうしてだった。牙暁の夢の世界に来ると彼に対して深刻な顔で話したのだった。
「また一段とね」
「強まっていますか」
「そうなっているわ」
こう話すのだった。
「もう一人の姉さんの力が」
「そうでしたか」
「だからね」
それでというのだ。
「何とかしないといけないわ」
「あの方の為に」
「そしてね」
「世界の為に」
「もう一人の姉さんは裏返しよ」
まさにというのだ。
「姉さんのね」
「穏やかで心優しく」
「自分のことを厭わないでね」
そうしてというのだ。
「世界の幸せを願っている」
「もう一人のあの方は」
「自分自身の為なら」
「何でもしますね」
「人間の世界を残そうとしても」
そう考えていてもというのだ。
「けれどね」
「それでもですね」
「それは自分の為であって」
「その夢見の力も」
「自分の為に用いてね」
そうしてというのだ。
「人間も地球もよ」
「ご自身が思われる様に」
「動かすわ、そうなれば」
そうした事態に陥ればというのだ。
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