血盟騎士団:特務支援遊撃隊
[3/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
上げに躍起になり、情報があるならば犬並みの嗅覚で嗅ぎ当てハイエナの様に齧り付く。そしてそれこそが攻略組と中層プレイヤーとの間で埋められない隔絶を生んでいるのは何とも救いようの無い問題であると言えよう。MMOプレイヤーの中でこんなデスゲームの中でさえプライドを捨てられなかった哀れな者達…MMO初心者だったが天才的なセンスでのし上がったアスナのような例外はあるにしても…が攻略組の大部分を占めている。
そんな俺達が今齧り付こうとしている餌は言うまでも無く『二刀流』と『神聖剣』による決闘だ。新たなユニークスキルである『二刀流』のその力がどの程度の物なのか、それが俺達が今、一番に得たい情報なのだ。キリトというプレイヤー自体の技量も見れるであろうその決闘は俺達の中で『見ない』と言う選択肢は存在しない。よって俺達が考える事は同じだ。
さあこの書類、どうやって処理する?
人は弱い。特にゲーマーなんて人種はモロ弱い。前もって宿題をやっておくなんてことは決してできないタイプの人間だ。あのリーシャや真面目なロイドでさえ悪戦苦闘している様子が見て取れる。
そしてここにも例外は存在する。
「ふぅ……片付いたよ」
その声に一気に視線が集中する。憎たらしい程にさっぱりとした表情をしている男……にどうも見えない性別不詳人間のワジは立ち上がった。奴のトレードマークとなっている青に白のマフラーを巻いて颯爽と立ち去って行こうとする。コイツをそのまま逃す手はない。
「ワジー、書類手伝ってくれー」
ワジはこちらを見てニッコリ微笑んだ。しまった、と反射的に思ったときには時既に遅し。
「本当は気が乗らないけど……愛しのアリオスに頼まれたら嫌とは言えないね♪」
……こういう奴だってのを忘れていた。コンマ一秒で辺りからざわめきが漏れる。「そうか副団長…」「何も言うな副団長、俺達は味方だ……だからもうチョイ離れてくれ」……ワジのことも俺のことも知ってて言ってるのだから尚更に性質が悪い。
「……てめえら言いたい事があるならハッキリ言えや」
「イヤア、ナニモイウコトハアリマセンナー」
「マッタクマッタク、ランディサンノイウトオリデスナー」
「エエホントソノトオリデスワー」
………ランディを筆頭にいっそ清々しい程に棒読みだ。
「俺はホモじゃねえええええエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!!」
「え? アリオス……僕とあーんな事やこーんなこともしたのに…………忘れてしまったと言うのかい?」
「誤解を拡大させようとすんじゃねえこの性別不明野郎!良いから黙って書類手伝え!」
「ふふ、そんなつれない所も好きさ♪」
「おぞましい事をぬかすなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああ!!!!!!!」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ