■■SAO編 主人公:マルバ■■
四人で紡ぐ物語◆グリームアイズ
第三十話 グリームアイズ
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ーの……解放の為に……努力しているというのに……ッ!」
苦笑と共にそれに答えたのはミズキだった。
「おいおい、お前それマジで言ってんのか? 《軍》なんて攻略にぜんぜん来てねぇらしいじゃねぇか」
「それは……ッ」
「おおかた、自分の地位を上げるために努力してただけじゃねぇか? 前会った時より昇進してんだろ?」
「違うッ!! 私は、全プレイヤーのために……ッ!」
「おうおう、まだ言うか」
呆れてつぶやくミズキの代わりに、シリカが純粋な疑問を発した。
「全プレイヤーの解放のために戦ってるのが《アインクラッド解放軍》じゃないんですか? なんでこんなふうにぜんぜん攻略に参加しなくなっちゃったんです?」
「全プレイヤーの……解放の、ために……?」
「そうですよ。さっき、自分でも言っていたじゃないですか。 『我々は君ら一般プレイヤーの解放のために戦っている』って」
シリカの下手な声真似に、コーバッツは自嘲の笑みを浮かべた。
「そう、だな。……確かに、我々は一般プレイヤーのために戦う組織のはずだった。あいつが指揮を取り始めるまでは。……おい、お前たち」
コーバッツの部下たちは突然呼びかけられて慌てたように立ち上がった。
「はい、なんでしょうか隊長!」
「お前たちは私の部下だよな?」
「もちろんです、隊長!」
「いいか、今日を持ってこの部隊は解散する。お前たちはこれより先、私の部下ではない。それでも……もし、私についてくるつもりがあるのなら。《軍》の現状を変えたいと思うのなら……お前たちは私の友人として、私と一緒に来るがいい」
「隊長、一体何をするおつもりで……?」
「……今日を持ってキバオウの軍閥から脱退し、シンカー元ギルドマスターの下に入る。 腐りきった軍の再建の手伝いをして差し上げるのだ」
コーバッツの言葉に、彼の部下たちは一斉にどよめいた。
「隊長……ッ! 一生お供します!!」
「さすが隊長だ! 厳しいだけじゃねえ!」
「隊長ならいつかそう言っていただけると信じていましたッ!!」
「隊長……ッ!! 隊長ぉーーッ!! うおおおおおおおぉぉォォォッ!!!」
「うおおおおおおおぉぉォォォーーーーーーッ!!!」
「こら、お前らくっ付くな鬱陶しい! ええい離れろ!! 男に抱きつかれたってちっとも嬉しくないわ!」
抱きついてくる部下たちをなんとか鎮めた後、コーバッツはシリカに向き直った。
「すまなかった。私はどうやら間違っていたようだ。……フッ、あの時大敗して以来二度と負けないようレベリングをしてきたが、まさかその大敗を喫したオレンジにこんな事を言われることになるとはな。」
ここで一旦言葉を切ると、コーバッツはシリカに背を向けた。
「それでは、また会おう。また戦うことがあれば、次
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