■■SAO編 主人公:マルバ■■
四人で紡ぐ物語◆グリームアイズ
第三十話 グリームアイズ
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書きした。両手のディレイがキャンセルされて動けるようになる。
足が地に付く前に、マルバは空中で短剣の連続技『ファッドエッジ』を放った。それは吸い込まれるように悪魔の胸に命中する。左手の短剣が動きを止める前に、マルバは右足から一本の短剣を抜き放った。思い出の武器……『トレンチナイフ』。
右手が閃き、『パラレル・スティング』が炸裂した。赤く散った火花はクリティカルヒットを示している。左手のディレイは再びキャンセルされ、その手から短剣が飛び出した。投剣の数少ない重攻撃技、『トルネード』だ。剣は首筋のあたりを斬ったようだが、マルバはそんなことは一切見ていない。今度は右手の短剣が閃き、『スライスエッジ』が発動した。これは空振りに終わった。
しかし……マルバは止まらない。左手を腰だめに構え、右手はスライスエッジ発動直後のディレイでマルバの胸の前で停止している。瞬時に両手が光りを放ち、システムがスキル初動モーションを検知した。
――それは、舞い散る花のように――
《体術》派生オリジナルソードスキル、『百花繚乱』!!
拳と手刀が入り乱れて凄まじい連続攻撃を繰り出す。スキル発動の光がパッパッと散り、激しい戦闘のさなか小さな花びらが飛び散っているかのような印象を受ける。一撃一撃ではびくともしないグリームアイズも、恐ろしい攻撃速度に対応しきれず斬馬刀を盾にしてマルバの攻撃を防ごうとした。マルバは構わず斬馬刀を攻撃し続ける。マルバの拳はボスのHPの代わりに斬馬刀の耐久値をがりがりと削り……ついに、斬馬刀は中央からポッキリと折れた。
マルバはボスとの間に開いた距離を、まるで突進技を使ったかのように不自然な速さで埋め、さらに連続攻撃を浴びせ続けた。
いつまで続くのか分からない攻撃は、拳と手刀が入り交じる攻撃から拳のみの攻撃に移行していって、最後に『閃打』らしき一撃を放つと、マルバは強烈なディレイで動けなくなった。
ボスがこの瞬間を逃すまいとばかりに拳を振り上げる。マルバは不自然に長いディレイで動けず、自分に牙をむく攻撃を避けることすらできない。マルバに巨大な拳が命中する直前、二刀を構えたキリトが割り込んできて、その拳を受け止めた。
……キリトがボスを撃破し終わっても、マルバは先程のディレイの格好のまま固まっていた。キリトが二刀流スキルの存在を告白して、みんながそれに驚いている間もずっと『閃打』発動直後の格好のままだった。
「マルバさん、お疲れ様でした! 凄かったですよ、さっきの!!」
「ああ、ありがとう。結構きつかったけどね……」
「それで、お前はいつまでその格好で固まってるつもりだよ」
「……ディレイが解けるまで、かな」
はあ? とそこにいる全員が素っ頓狂な声を上げた。
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