■■SAO編 主人公:マルバ■■
四人で紡ぐ物語◆グリームアイズ
第三十話 グリームアイズ
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帯びる。同時にHPゲージの右に十字架のマークが点灯した。《祝福》、Lv.10。効果時間はたったの60秒だ。
キリトが強引に斬馬刀をパリィしてブレイクポイントを作り、後ろに飛び退いた。その場所にアスナが飛び込む。
マルバはシステムメニューを出すと、クイックチェンジの呼び出しボタンを押した。右手のチャクラムが消え、代わりに短剣が現れた。
システム外の二刀流、《双剣》のマルバ――本領発揮、である。
キリトの代わりに飛び込んだアスナは一撃目の敵の攻撃を避けるが、二撃目の回避に失敗し、斬り飛ばされて側方に転がった。キリトが焦ったように一瞬顔を上げる。
代わりに飛び込んだマルバは左手の短剣を振りかぶった。瞬間、左手から閃光のように光が迸り、ボスの頭部を捉えた。投剣スキル、『アーク』。基本的に速いだけが取り柄の攻撃だが、今回に限っては最大の攻撃力を誇るはずだ。右頬に刺さったナイフは白い光を放ちながら貫通属性ダメージを与え続けている。ボスのHPはみるみる減少し、三本目のHPバーが消滅した。
攻撃力が低いはずの投剣スキルでなぜこれほどまでに強力な攻撃が繰り出せるのかと言うのは、実は裏を返せばじつに簡単な仕組みによる。
マルバは先ほど十字を切ったが、あれは《瞑想》最上級スキルの『鎮魂』の発動モーションである。効果は、対アンデットに絶大な攻撃力ボーナスを与える支援効果の《祝福》の最大レベルであるレベル10をプレイヤーに付与することだ。
グリームアイズは悪魔形モンスターなので、一応アンデットに分類されるはずである。だから《祝福》の効果が出るのではないかと予想したのだが、その予想が見事に的中したためこのように大量のダメージを与えることができた。
マルバは左手の短剣を腰だめに構えた。突進系短剣技『ラピッドバイト』で一気に距離を詰め、体重を乗せた一撃。そして、左手のソードスキルの終了を待たず、そのまま右手だけで『双牙』の初期モーションを取った。システムがモーションを検知し、右手がマルバの思った通りに動く。そして、振りぬいた右手に続くように……左手が脇に引き寄せられ、瞬時に打ち出される。
これこそが……《双剣》の最大のメリット、システム外スキル『遅延解除』。《双剣》は種類が異なる武器を二つ一度に装備することによって二種類のソードスキルを同時に発動できるのだが、その際に直前に発動したスキルのディレイを直後に発動したスキルのディレイで上書きできるのだ。
ただし、これは諸刃の剣でもある。キャンセルした分のディレイはなくなるわけではないからだ。最後に放ったスキルのあとでまとめてそれまで全部のディレイを受けることになる。
『双牙』が発動し終わる前に、マルバはその場で『弦月』を繰り出してそのディレイを上
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