■■SAO編 主人公:マルバ■■
四人で紡ぐ物語◆グリームアイズ
第三十話 グリームアイズ
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た。ミズキもフウカに指示を出し、麻痺したプレイヤーの救助に向かわせる。キリトとアスナも戦闘に加わった。
それはかなり厳しい戦いだった。ミズキが必死で防御するも、大盾を襲う斬馬刀の攻撃は破壊属性であり、盾と非常に相性が悪い。じりじりと削られるHPを睨みつけながら、ミズキはこのままではまずいと感じた。
「ミズキ、一旦下がって回復して! しばらくなら僕が持ちこたえる!」
「ああ、分かった! 気をつけろよ!」
ミズキが一旦下がり、代わりにマルバが前に出る。二刀を構え、次々押し寄せる攻撃をどんどん受け流していく。
まずいことに、敵の攻撃が読めない。両手剣スキルを使っているはずなのだが、軌道が普通のソードスキルと微妙に異なるのだ。なんども危うい場面があったが、シリカの援護もあってマルバはなんとか攻撃をいなすことに成功している。
しかし……ついにマルバが痛恨のミスを犯した。斬馬刀を振りかぶったボスのスキルをキャンセルさせるべく放った『円月斬』を、ボスがぎりぎりで回避してしまったのだ。
硬直で動けないマルバを斬馬刀が襲い……マルバの前に踊りでたシリカが、マルバの代わりに斬り飛ばされた。
「シリカーーーッ!!」
斬り飛ばされたシリカは空中で一回転すると転倒することなく地面に降り立った。HPがわずかにレッドゾーンに入り込んでいる。
「あたしは大丈夫です! 一旦回復するので戻るまで耐えてください!!」
シリカの声に安心するマルバだが、ここから先は本当にひとつのミスも許されない。マルバのHPは残り約60%。シリカが代わりに受けてくれなかったら先ほどの攻撃でレッドに陥っていただろう。そして、現在マルバの代わりに防御スキルが使える者はキリトしかいないのだ。ここで倒れるわけにはいかない。
ボスがその巨体を後ろに大きくそらした。ブレス攻撃のプレモーションだ。
繰り出されたブレスに対し、マルバは回避に成功したがアイリアは失敗してしまった。たちまち麻痺に陥り、その場に倒れる。マルバはアイリアが攻撃を喰らわないようにと彼女をボスの攻撃範囲外まで蹴り飛ばした。
それを見たキリトが何かを決心したように叫んだ。
「マルバ、アスナ! キツいとは思うが、十秒持ちこたえてくれ!」
キリトには何か策があるようだが、キリトが抜ければ攻撃を受けられるのはマルバ独りになってしまう。パリィはもう危なくてできない。ひらすらに避け続けるが、いつまでも避け続けられないことは目に見えている。
ならば……やることは、一つだけ。
速度特化のプレイヤーとして、相手に攻撃の隙を与えないように連続攻撃をするしかない。
マルバは左手を持ち上げた。おもむろに十字を切ると、その十字の軌跡から光が降りかかり、マルバの両の武器がかすかに光を
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