第153話
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「そんでもって自ら戦争にまで関わった家出娘をせめて危険な目に遭わせない為にそこの”裏解決屋”に依頼を出したって事かよ……」
全ての事情を察したシェラザードは疲れた表情で溜息を吐き、アガットは複雑そうな表情でヴァンを見つめながら呟いた。
「そういう事だ。別に俺は遊撃士相手に説教なんざするつもりは毛頭ないが……”不動”のジン。カルバードのベテラン遊撃士の中でも筆頭でもあるアンタならエレインの実家――――――未だ選民思想に染まっているオラシオンの旧貴族の厄介さも当然知っていただろうし、そんな家で育ったエレインが家出同然で遊撃士に就いた事も知っているんだから、エレインを戦争に関わらせればエレインの実家が黙っていない事くらいは簡単に予想できたにも関わらず、両親の許可も取らずにエレインをアンタと共に紅き翼に加勢させた結果俺が”灰色の騎士”達に協力する形でアンタ達を阻んだのはアンタの”落ち度”でもあるんだぜ。」
「ぐっ……返す言葉もないな。…………ま、そうは言っても例えエレインの両親を説得しようとしても、遊撃士でそれも”貴族”でもない俺の話なんざ絶対聞いてくれなかっただろうし、それ以前に門前払いになっただろうがな……」
「ジンさん………」
ヴァンの指摘によって図星を突かれたジンは唸り声を上げた後疲れた表情で呟き、ジンの様子をアネラスは辛そうな表情で見つめた。
「ジンさんがそこまで気に病む必要はありません。そもそもヴァンはレン皇女の依頼――――――”灰獅子隊の作戦に私が介入してきた際の対策としてヴァンに私の相手をさせる依頼”も請けていたのですから、例え両親がヴァンに依頼を出していなくてもどの道ヴァンは私達を阻んでいたでしょうし。それよりもヴァン――――――」
「”ヒンメル霊園”に到着したよ!霊園の入り口近くに着陸させるけど、それでいい?」
「ああ、それでお願いするよ!それと――――――」
「ま、”続き”は今回の件が終わって機会があったらな。」
「……ッ!…………どうして私にすら何も教えてくれないのよ………バカ…………」
ジト目でヴァンを見つめながらジンへのフォローの言葉をかけたエレインがヴァンに更なる追及をしようとしたその時タイミング悪く目的地に到着し、ジョゼットとアンゼリカが会話をしている中ヴァンは肩をすくめてエレインにこれ以上の詮索は無用である事を伝え、ヴァンの答えに唇を噛み締めたエレインはヴァンから視線を逸らして小声で呟いた。
〜ヒンメル霊園〜
ヒンメル霊園の近くに着陸した後山猫号2号機から降りたエリオット達はジョゼットに感謝の言葉を述べて山猫号2号機が離陸し、飛び去る様子を見守っているとある人物達がエリオット達に近づいて声をかけた。
「―――――ヴァン!」
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