第十二話 恐竜までもがその十
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メルヴィルは自分の帽子を脱いだ、そのうえで笑って話した。
「この通りな」
「自分で脱帽したか」
「ああ、あかんか?」
「あかん訳やないがギャグにはなるな」
「オーソドックスやと思うが」
「オーソドックスなギャグこそな」
まさにとだ、施も笑って話した。
「王道でな」
「ええか」
「お笑いは奇をてらうとな」
そうすると、というのだ。
「かえってな」
「失敗するな」
「そうなるわ、まあ笑わせたるって思うと」
「そこに気迫が出るな」
「それでええけどお笑いでな」
それを用いてというのだ。
「偉くなるとか芸能界でブイブイいわすとか」
「ああ、それはあかんわ」
メルヴィルはそうした者には即座に駄目出しをした。
「お笑いは笑わせる」
「もうそれでないとな」
「笑えん、どんなお客さんでもな」
それこそ自殺しそうなまでに沈んでいる様な人でもというのだ。
「笑わせる」
「そうしたもんやないとな」
「笑えん」
「その通りやな」
「何か今の日本のお笑い芸人の人はおもろないって言うな」
羅が真顔で言ってきた。
「年配の人が」
「実際昔の日本のお笑いおもろいわ」
メルヴィルはここでこの漫才コンビの名前を出した」
「やすきよとか」
「レジェンドやな」
「寛美さんもな」
藤山寛美もというのだ。
「おもろいけどな」
「今のお笑いはやな」
「何かな」
昔のものを見ると、というのだ。
「どうもな」
「おもろないか」
「わしはそう思うわ」
メルヴィルは難しい顔で述べた。
「テレビのはな」
「ああ、テレビやとな」
「何か日本のテレビのお笑いはな」
どうにもというのだ。
「出てる芸人さんがな」
「よおなくてか」
「ああ、テレビよりもな」
それよりもというのだ。
「他の場所でや」
「ネットの動画とかやな」
「そういうのに出てる人は楽しませる、笑わせる」
その様にというのだ。
「気持ちが出てるさかいな」
「おもろいねんな」
「それがな」
「テレビやとか」
「もうそうした気持ちがなくて」
笑わせるというお笑いを行う者が持っているべきそれがというのだ。
「それでな」
「おもろないな」
「そや」
まさにというのだ。
「これがな」
「ほな起きた時にな」
「テレビのお笑い芸人とやな」
「ユーチューブの方のな」
羅はメルヴィルに考える顔で述べた。
「視聴して」
「比べてみるな」
「そうするとな」
これがというのだ。
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