第七十二話 海軍の記憶その十二
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「あれよね」
「今お話してる政治家さんと同じよね」
「お勉強出来ても」
「学者としてどうかはね」
「また別ね」
「けれどお勉強が出来たら学者さんになれる」
国立大学の教授にもだ。
「そういうことね」
「ある意味凄いわね」
「学問の内容でなって欲しいわね」
「東郷さんそんなお話聞いたらどう思うかしら」
「戦争に何見てるんだって怒るじゃない?」
「そうよね、まあそんなこと言う人ここには来ないわね」
江田島の資料館にはというのだ。
「まともな学問してないわよ」
「絶対にそうね」
「だからそんなこと言えるのよね」
「相当偏っていてね」
こうした話を東郷平八郎の絵の前でした、そして特攻隊の資料を見て涙を流してだった。富美子は涙を拭きながら周りを見たが。
「ここに来たら国籍関係なくね」
「泣くわよね」
一華も涙を拭きつつ応えた。
「どうしても」
「そうよね」
「何でそこまで出来るって」
「思ってね」
「悲しくて奇麗で」
「泣かずにいられないわ」
「本当にね」
まさにというのだ。
「回天もそうだけれど」
「神風特攻隊の人達もね」
「命を賭けて戦って」
「そして散華して」
「その心を残してくれて」
「どれだけ悲しいか」
富美子は言った。
「そして奇麗か」
「こう言うのよね」
一華は富美子に応えて述べた。
「悲痛美って」
「悲しくて痛いけれど」
「それでも奇麗だって」
「そう言うのね」
「実際にね」
富美子にさらに話した。
「特攻隊ってね」
「奇麗なのよね」
「全てを賭けて捧げてね」
「日本を護ってくれたから」
「物凄い気迫だし」
「そう思わずにいられないわね」
「誰もがね」
特攻隊を知ればというのだ。
「日露戦争も凄かったけれど」
「特攻隊も凄かったわね」
「命を、全てを捧げてまで日本を護ってくれた」
「その心がね」
「私こんなこと絶対に出来ないわ」
「私もよ」
富美子は涙を拭き終え真顔に戻って答えた。
「何があってもね」
「生きたいわよね」
「やっぱりね」
「特攻隊の人達もね」
「やっぱりそう思ったでしょうね」
「けれど日本のことを考えて」
「もう負ける状況でも」
戦局のことはわかっていた、それは殆ど誰もがだった。
「負けた後のね」
「日本のことも考えて」
「靖国の英霊になる」
「そうも考えて」
そのうえでというのだ。
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