第七十二話 海軍の記憶その十一
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「一体」
「そう思える位よね」
「勝ったけれど」
それは事実でもだ。
「借金凄くて」
「賠償金も得られなかったし」
「後大変だったのに」
それでもというのだ。
「一体何がね」
「戦争に勝ったら儲かるって錯覚出来るのか」
「当時の政府の誰もでしょ」
「国民の人達だってね」
「そうした絵もあったし」
よりによってその風刺画、日本が日露戦争後の借金に喘いでいるそれを教科書に載せているのはそうした考えの学者達であったりする、戦争反対と言いたくてそうしていると思われるがそうした矛盾も見られるのはどういうことか。
「もうね」
「誰がそう思うのよ」
「思う筈ないでしょ」
「大学の先生でこれって」
その程度のレベルならというのだ。
「どうにもならないわね」
「私達でも知ってることなのにね」
「こうしたことってね」
「何処が儲かったのよ」
日露戦争でというのだ。
「勝ったは勝ったで」
「日本は守ったけれど」
「代償も高くてね」
「借金しまくって」
「首が回らなくなったわ」
その軍事費は当時の日本の国家予算の数年分であった、それだけの消費ならば首が回らなくなるのも当然である。
「文字通りね」
「そうなったのに」
「そう言えるってね」
「酷いわね」
「あんた何勉強したのって」
「言える位よ」
「知識人はもうおしまいってね」
かな恵がどうかという顔で言ってきた。
「言う人いるけれど」
「こんなこと言う人が大学の先生ってね」
「それで教授さんにもなるのよね」
「何かこの人国立大学の教授だとか」
「嘘みたいよね」
「というかこんなレベルで教授出来るって」
一華は首を傾げさせた。
「案外お勉強が出来るだけで」
「学問の内容は構わないのね」
「そうかもね」
「そうよね」
「というか」
一華はここでこう言った。
「お勉強出来てもあれな人っているわよね」
「あっ、私そうした人知ってるわ」
即座にだ、かな恵は答えた。
「あの野党の女性議員の人」
「どの人?」
「小さな政党の党首さんよ」
「あの東大法学部出た」
「それで弁護士さんになった」
「あの人そうよね」
かな恵もその通りだと頷いた。
「東大法学部出て」
「それで司法試験に合格して」
「弁護士さんになるってね」
「滅茶苦茶お勉強出来るわね」
「それであの赤い茸頭で四角いお顔で眼鏡かけた」
かな恵はこの人物のことも話した。
「この人留学までした学者さんでも」
「あの人はもう壮絶よね」
一華はその女流学者にはこう表現した。
「言ってること全然論理的じゃないから」
「感情だけよね」
「あれで私達が生まれる前から同じこと言ってるのよね」
「そうらしいわね、四半世紀位ね」
「
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