Mission
Mission5 ムネモシュネ
(3) 自然工場アスコルド 第01栽培室(分史)
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
、と言いながらユティはふにゃふにゃ笑っていた。その父のワガママさえ、ユティは愛しくてたまらないのだろう。
ルドガーは顔も知らない両親に考えを巡らせた。
ルドガーには親との思い出どころか知識さえ少ない。母の名がクラウディアで夭折したことは知っているが、父親に関しては顔も名も知らない。ユリウスに尋ねても教えてくれなかった。
ユリウスと母親が違うという事実さえ、知ったのは列車テロの時、ヴェルの口からだった。あれは地味に効いた。
(別に寂しいとかじゃない。愛情なら兄さんから充分すぎるほど貰ってる。けどエルやユティみたいに、当たり前に親の話する子たちを見ると、何でそんなに一生懸命なんだって疑問に思う。俺にはその『いて当たり前の存在』がいないから、分からないんだ)
なりゆきとはいえここ数週間はエルとユティと共同生活を送って、他の仲間よりは彼女たちに親近感を向けていたのに。急にルドガー一人が取り残された気持ちになった。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ