勝利の連鎖
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「どういうこと?」
「なんでそんなことになるんですか?」
どういう経緯でそんな話になるのかわからずルーシィさんと俺は問いかけていた。
「エルミナの街を見ただろう?あの異常な満潮で街が海底に沈む現象は私の力のせいだ。力を抑えられなくなっている」
自身の手を見つめながら悲しそうな表情を見せる水神竜さん。彼はその表情のまま、話を続ける。
「あの街の魚たちも本来は人間だ。水中でも適応できるように魚になる魔法をかけているんだよ」
「あ!!だから私の姿を元に戻せたんですね」
「つーか、あの街の奴らはなんで出ていかねーんだ?」
グレイさんが素朴な疑問をぶつける。それに対する水神竜さんの答えは至ってシンプルなものだった。
「水神信仰さ。私が過去にしてきた数々の暴虐がどう間違ったのか、数々の奇跡として伝わった街でね」
「そんなに信仰心が強かったら水神様が一言「出てけ」っていえば・・・」
「彼らの生活を奪えというのかい?」
彼の過去の行いは自身でも悔いるほどのものであるのは伝わったけど、それは街の人からすれば違うものとして捉えられているらしい。それにどれだけ街の中が大変になっていても、彼らはそれを理解した上で生活しているのだから何も言えない。それにカシマさんなんか自分のこと魚と思ってたしね。
「それに街に人がいなくなっても何も解決しない。私の力はやがて隣街、その隣の街へと進行していく。この力は私が死なねばおさまらんのだよ」
「そんな・・・」
「他に方法はねぇのか!?」
「魔力を閉じ込めたりとか・・・」
「できない。だから私を殺してくれる者が来るのを待っていたのだ」
ここまで話してきた上でこの人は死を望んでいる。しかし俺たちは人のために行動しているこの人を殺さねばならないことに躊躇いが生まれていた。
「だが・・・その前に一つだけやらねばならぬことがある。これが最大の誤算にして、最悪の大問題なのだ」
その時の水神竜さんの顔は鬼気迫るものを感じた。それと同時に、彼が何をやろうとしているのかわからない俺たちは首をかしげる。
「やらなければならないこと?」
「それは一体何なんですか?」
「うむ」
エルザさんと俺が問いかけると彼は自身の両手を見つめながら話し始める。
「私のドラゴンとしての力はある者に奪われてしまったのだ」
「!!」
衝撃的な水神竜さんの言葉。しかしそれを聞いてすぐに心当たりがあったらしく、ナツさんたちがそれを確認する。
「力を奪われた!?」
「例のドラゴンイーターとかいう奴か」
先程の二人組はどうやらドラゴンを食べることによって滅竜の力を手に入れた第五世代の滅竜魔導士らしい。なんでもドラゴンを食べることでその力を自身のもの
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