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その小さな女の子のことが気になってしまったんだが、どう接していけばいいんだろう
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秋も過ぎて、冬に向かう時、ななのちゃんのチームが初勝利を挙げたと聞いていた。今度は、同じ中学生のメンバーと試合をしたみたいだった。
そして、12月になると、ななのちゃんから、又、誕生日とクリスマスとでウチに来てとねだられていたのだ。
当日、僕は今度は肉を買っていくからと、予め言っておいたので、焼肉用を持っていくと、ななのちゃんが出迎えてくれて、ふわふわの赤レンガ色のセーターと同じ色のベレー帽に、やっぱり、ふわふわの白いミニスカートで現れたのだ。
「いらっしゃい これ お母さんがお誕生日だからって買ってくれたの 可愛い? シュウに見てもらいたかったの」
「うん 妖精みたいだよ じゃー これ 僕からのプレゼント」と、ファー付きのショートブーツだった。
「わぁー うれしい 開けて良い?」と、その場で箱を開いて
「わぁー 可愛いぃー」と、履いて見せて、奥のお母さんにも見せに行っていた。
「北番さん いつも すみませんネ ななのにこんなことまでしてもらってー ななの もう 良いでしょ それで、焼肉じゃぁ せっかくなのに、汚すとネ 着替えなさい」
と、僕達は肉を焼き始めて、僕とお母さんはビールを飲み出した。
「この子 2学期の成績も良かったのよ それに、絵が市の展覧会で優秀賞もらったんだって 街の絵」
「そうか それはすごいなぁー ななのちゃんの絵は それぞれの家からも温かさが聞こえてくるようだものなー」
「彼女 いらっしゃるの?」と、お母さんが突然、聞いてきた。
「いえ 居ないですよ」
「うそっ 居るじゃないの! つばきさん 皆言ってるよ あのふたりは、良い雰囲気だって」と、ななのちゃんはからかってるつもりなのか、僕の顔を伺うようにしていた。
「なに 勝手なこと言ってんだよー つばきちゃんは、仕事仲間なだけだよ」
「うふふっ 北番さんは 良い人だから、皆 嫉妬してるんだよネ ねぇ 結婚とかは 考えていないの?」
「はぁ まだ 先 カナと・・」
「そうよ そんなに早いと 私 困るぅー」
「ななの なに言ってんのよ あんまり 北番さんを困らせないのよ あなた まだ 子供じゃぁない」
その後、僕とお母さんは何故か、石田三成と賤ケ岳の話で盛り上がってしまって、余計にななのちゃんは、ずーと、機嫌が悪かったのだ。
帰る時、見送ってきたななのちゃんに、表で、今年も実家に来るかい?と聞いた時、ようやく、笑顔になって機嫌を直していたみたいだった。
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