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星河の覇皇
第八十三部第四章 戦線崩壊その二十八

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「そこから少しずつだ」
「撤退しますね」
「そうされますね」
「そして防衛ラインから脱出しますね」
「全軍を以て」
「全将兵で」
「そうする、それで我々はだ」
 まさにというのだ。
「まずは攻撃を受ける、そして損害を最小限に抑え」
「そのうえで、ですね」
「艦隊だけでなく要塞や他の防衛施設の将兵達も収容し」
「それからですね」
「撤退に移りますね」
「後方に」
「退いてもだ」
 それでもというのだ。
「我々は戦う、この度の敗戦は大きいが」
「はい、我々にとっては悪い意味で」
「そうした敗戦ですね」
「戦争の趨勢はオムダーマン軍のものとなります」
「確かに」
「そうなります」
「そうなってしまうが」
 それでもというのだ。
「戦争の趨勢はまた盛り返せる」
「戦力さえあれば」
「それが可能ですね」
「例え劣勢に陥っても」
「左様ですね」
「そうだ、だからだ」
 それ故にというのだ。
「ここはだ」
「何としてもですね」
「我々としては」
「まずはオムダーマン軍の攻撃を受ける」
「それが強いものであっても」
「それを最低限に抑えて」
「撤退に移る」
 それにというのだ。
「いいな」
「わかりました」
「では今はです」
「前を向きましょう」
「敵に背を向けずに」
「そうしましょう」
 幕僚達もフラームに応えた、そしてだった。
 ティムール軍はアブーもフラームも撤退を決定したが今はあえて敵の一撃を受けるという方針に逆らわなかった、彼等もわかっているからだ。
 ティムール軍第十五艦隊司令ムハンマド=フセイン中将は迫り来るオムダーマン軍を見てそれで幕僚達に話した。
「いいか、ここはだ」
「あえてですね」
「敵の攻撃を受ける」
「正面から」
「そうしますね」
「正面からの攻撃はどれだけ強くてもだ」
 それでもというのだ。
「弾幕を張れるしバリアも張れるな」
「そうして守れます」
「装甲も厚いです」
「艦のそれも」
「そしてダミーも容易に出せます」
「対応は楽です」
「そうだ、だからだ」
 それ故にというのだ。
「いいな」
「はい、今はですね」
「敵に正対し」
「その攻撃を正面から受ける」
「あえてですね」
「その様にしますね」
「そうするしかない」
 今はというのだ。
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