第九十三話 お弁当を食べてからその七
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「地域の違いも出るのよ」
「同じ都内でも」
「この足立区と葛飾区でも違うでしょ」
「全然ね」
咲もそれはと答えた。
「本当に」
「新宿や渋谷とも違うでしょ」
「原宿ともね」
「それでそれぞれ違うでしょ」
「もう全くね」
「一つの街でここまで違う街なんてそうはね」
それこそという言葉だった。
「ない筈よ、世界でもね」
「そこまでなのね」
「しかも治安いいから」
このこともあってというのだ。
「行き来していいわよ」
「治安いいのは有り難いわね」
「世界では治安の悪いところも多いわよ」
母は娘に注意する様に話した。
「やっぱりね」
「そうよね、私も色々聞くわ」
「ローマだってすりとかかっぱらいが多いから」
だから観光旅行に行くと注意が必要であるのだ、特に観光客を狙ったものが多いのは言うまでもないことか。
「注意しないとね」
「駄目よね」
「それで他の国のね」
「他の街でも同じね」
「村でもね、あとね」
「あと?」
「東京は危険な生きものもいないし」
犯罪即ち人以外の危険の話もした。
「そのことも安心出来るわよ」
「ああ、虫とか」
「そう、熱帯とかではね」
「蠍とかいるわね」
「蚊だって危ないのよ」
この虫もというのだ。
「マラリアとかあるでしょ」
「そうよね」
「マラリアはね」
この病気はというと。
「戦争よりも死んだ人が多いのよ」
「物凄く多いのね」
「何か平清盛さんもこれで死んだらしいし」
平家物語では水で冷やす為にその中に彼の身体を入れると忽ちのうちに沸騰しそれで茹で卵が出来たとある。
「アレクサンドロス大王もでしょ」
「そうそう、あの人もね」
咲も言われて応えた。
「物凄く強かったけれど」
「蚊に刺されて、でしょ」
「マラリアになってね」
「死んだでしょ」
「そうだったわね」
「清盛さんは日本だけれど」
それでもというのだ。
「日本は普通マラリアないし」
「東京でもよね」
「他の毒持っている生きものとかいないから」
「蜘蛛でも」
「アメリカだっているでしょ」
蜘蛛ここで言うのは毒蜘蛛だがこちらがというのだ。
「そうでしょ」
「あれよね、クロゴケグモよね」
「そう、ブラックウィドースパイダーっていうわね」
「小さいけれど危ないのよね」
「血清はあるけれど」
その毒を打ち消すそれがというのだ。
「けれどね」
「それでもよね」
「噛まれるとね」
まさにその時はというのだ。
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