第三十話
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第三十話 小田切君の選択
博士は小田切君の分の白ワインも出した、そのうえで彼に言った。
「どうじゃ」
「現物のボーナスですか」
「勿論本来のボーナスもそのまま出すぞ」
「夏と冬のですか」
「一切減額なくな」
ワイン代を引かずにというのだ。
「そうするぞ」
「何か悪いですね」
「悪くはない」
博士は小田切君の今の言葉を否定した。
「別にな」
「そうですか」
「遠慮なくじゃ」
「飲んでいいですか」
「つまみはチーズとな」
言いつつカマンベールチーズを出してきた。
「あとムニエルもあるぞ」
「ムニエルですか」
「鱈のな」
「あっ、僕鱈好きです」
小田切君は鱈と聞いてすぐに笑顔になった。
「実は」
「そうか、ならな」
「鱈のムニエルもですか」
「料理用ロボットに言えばな」
そうすればというのだ。
「焼いてくれるぞ」
「じゃあ後はですか」
「小田切君の決断だけじゃ」
「じゃあお願いします」
小田切君は遂に決断を下した。
「いただきます」
「二本共か」
「そうさせてもらいます」
「それでよい、では飲むのじゃ」
博士も笑顔で応えた、そうしてだった。
小田切君は白ワインを頂いた、ボトルは自分で空けて飲んでいった。チーズやムニエルを食べて飲むとだった。
「美味しいですね」
「安いワインじゃがな」
「いや、それでもです」
「美味いか」
「はい、かなり」
「では二本共飲めるか」
「これは」
酒が回って赤くなってきた顔で答えた。
「いけます」
「ならよい、ではどんどん飲むのじゃ」
「そうさせてもらいます」
博士に応えて飲んでいく、小田切君は笑顔で楽しんでいた。
第三十話 完
2023・1・21
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