第五幕その七
[8]前話 [2]次話
「どうじゃ、安土城の夜景は」
「ううん、これもいいね」
「天主閣からの眺めもよかったけれどね」
かかしと樵が応えました。
「こちらも最高だね」
「幻想的ですらあるね」
「外の世界では提灯を使ってしたがな」
そのライトアップをというのです。
「今は電灯を使ってじゃ」
「ライトアップをしているね」
「こうしてだね」
「うむ、わしは科学も好きであるからな」
それでというのです。
「こうしておる、ただな」
「ただ?」
「ただっていうと?」
「ここの灯りは趣向を変えてな」
そうしてというのです。
「電灯は使っておらぬ」
「じゃあ何かな」
「何を使っているのかな」
「これじゃ」
こう言ってです、行灯を指差しますと。
その中には無数の蛍達がいます、そしてでした。
飛行船の中に無数の蛍達が出て来て灯りとなっています、これにはかかしも樵もうっとりとなりました。
「おお、蛍を灯りに使うとは」
「これは見事だね」
「ううむ、蛍光を使って夜に本を読んで学ぶというが」
ムシノスケ教授も言いました。
「これは素晴らしい」
「お城の夜景を見ながら蛍の光の中でパーティーをするなんてね」
ガンプもうっとりとなっています。
「こんな素晴らしいことはないよ」
「そうね。流石信長さんね」
オズマはにこりとして言いました。
「本当に」
「そう言ってくれるか」
「ええ、明日朝に出発するけれど」
「この度のよい思い出の一つになるな」
「間違いなくね」
「それは何より。わしは趣向を凝らしてじゃ」
その様にしてというのです。
「日々楽しんでおるってな」
「この様にしてなのね」
「そうじゃ」
まさにというのです。
「客人が来たらな」
「もてなしてくれているのね」
「ドロシー王女にしてもな」
「あの娘もなのね」
「何度か来てくれておってな」
ドロシーのことも笑顔でお話します。
「今ではすっかり仲良しじゃ」
「お友達なのね」
「それでも姫も何時かと思っておったが」
「今回こうしてお邪魔して」
「嬉しいことこの上ない」
オズマにきし麺を食べつつ笑顔でお話します。
「まことにな」
「そうなのね」
「そうじゃ、しかしな」
「姫は見たところ王女と似ておるな」
「ドロシーとなのね」
「そうしたところが多いな」
こうも言うのでした。
「これはベッツイ王女にトロット王女もであるが」
「確かに」
羽柴さんも頷きました。
「言われてみれば」
「そうであるな」
「それぞれの個性派ありますが」
それでもというのです。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ