暁 〜小説投稿サイト〜
X ーthe another storyー
第十二話 風使その六

[8]前話 [2]次話
「後でデザートも頼もうか」
「私は善哉がいいわ」
 嵐は伊勢うどんと天丼を食べつつ述べた。
「デザートは」
「嬢ちゃんはそっちかいな」
「ええ、お汁粉も好きだけれど」
 それでもというのだ。
「善哉もね」
「好きなんやな」
「日本の甘いものがね」
「それならです」
 玳透は鯖味噌定食を食べつつ話した。
「議事堂の丁様のところでもです」
「出してくれるのね」
「お話をすれば」
 食べたいと、というのだ。
「蒼氷さんと緋炎さんがです」
「あの人達がなのね」
「出してくれまして」
 そうしてというのだ。
「いただけます」
「ではね」
 嵐はそう聞いて述べた。
「その時はね」
「召し上がられますか」
「そうさせてもらうわ」
「それじゃあ」
「ええ、では羊羹やお団子やういろうも」
 こうしたものもというのだ。
「食べたいわ」
「それでは」
「ええな、饅頭あったらな」
 空汰も言ってきた。
「貰いたいわ」
「空汰さんお饅頭お好きですか」
「何でも好きやけどな」
 それでもとだ、空汰は三人の中で一番元気よく食べつつ話した。見れば彼は玳透と同じ詰襟で嵐はセーラー服である。
「甘いもんやとな」
「お饅頭がですか」
「一番好きでな」
 それでというのだ。
「高野山でもよおな」
「召し上がられていましたか」
「そやったわ」
 こう話しつつカツ丼を食べる。
「つまみ食いもさせてもらって」
「それはよくないですよ」
「よおなくても育ちざかりでな」
 それでというのだ。
「この体格やさいな」
「食べないと、ですか」
「やっていけんさかい」
 だからだというのだ。
「ちょっとな、お茶目で」
「そうでしたか」
「今はしてへんで」
 空汰はそこは断った。
「つまみ食いはせんで」
「そうしてですか」
「学校と宿舎でな」
 その両方でというのだ。
「しっかり食べてるで」
「そうですか」
「ただ。二時間目の後はお弁当を食べて」
 嵐が言ってきた
「今も食べるのね」
「育ち盛りやさかいな」
「身体も大きいし」
「よお動くしな」
「そういうことね」
「朝も夜もちゃんと食ってな」  
 そうしてというのだ。
「そのうえでや」
「お弁当を食べて」
「こうしてお昼もな」
「実は僕もなんですよ」
 玳透も笑って話した。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ