第十二話 風使その五
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「絶対に注意しないといけないことはね」
「何ですか?」
「いや、護刃ちゃん甘いもの好きだけれど」
「太る、ですか」
「いやいや、沢山運動してるしそれはないし」
玳透はそれは否定した。
「僕はそうしたことは言わないよ」
「そうですか」
「栄養バランスはね」
彼が話すのはこのことについてだった。
「気をつけてね」
「好き嫌いなく何でも食べるですね」
「そうだよ、甘いものを食べてもいいけれど」
「栄養バランスは、ですね」
「考えてね」
そうしてというのだ。
「食べてね、お野菜も果物も」
「お肉もお魚も」
「何でもね」
「別に好き嫌いはないです」
すぐにだ、護刃は玳透に微笑んで答えた。
「私も」
「それならいいよ、本当に何でもね」
「食べるべきですよね」
「甘いもの以外にもね」
「そうしていきます」
「そうしていったら」
玳透は微笑んで話した。
「健康にもいいし戦う時もね」
「健康ならですね」
「万全に戦えるからね」
「食べるものも大事ですね」
「そうだよ、そういうことでね」
「はい、何でも食べていきます」
護刃は笑顔で応えた、そうしてだった。
二人で並んで登校した、するとクラスでだった。
玳透はクラスメイト達に笑って言われた。
「お前随分可愛い娘と一緒に登校してたな」
「あれ中等部の娘だよな」
「そうそう、転校生のな」
「猫依さんだったか?」
「ああ、友達なんだ」
何でもなくだ、玳透はクラスメイト達に笑って話した。クラスでの彼は屈託がなく明るく気さくな人物だった。
「彼女じゃないよ」
「おいおい、自分で否定するかよ」
「面白くねえな」
「只の友達か」
「それだけか」
「だからね」
笑ったまま話した。
「皆が思う様なものじゃないよ」
「じゃあそういうことでな」
「俺達も納得したよ」
「お前がそう言うならそうだな」
「嘘も言わないしな」
このことで信頼もあるのだ、そしてだった。
護刃のことは何でもなく済んだ、そのうえで。
昼は同じ高等部に転入していた空汰それに嵐と一緒に食堂で食べたが空汰は食堂でこんなことを言った。
「ここはええな」
「それはどうしてですか?」
「いや、料理が美味いさかいな」
玳透にラーメンとカツ丼と野菜炒めを食べつつ応えた。
「しかも食費貰ってるさかいな」
「気兼ねなく食べられるので」
「それでな」
「そういうことですか」
「ああ、ずっとここにいたいわ」
「クランプ学園に」
「ほんまそう思うわ」
こう言いつつ食べている。
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